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DeNA特集スペシャルインタビュー

DeNA・宮崎敏郎インタビュー 貫くフルスイング

 

昨年、持ち前のフルスイングと非凡な打撃センスで一軍に定着した叩き上げが、さらなる進化を遂げている。開幕時は三塁のレギュラー候補だったが、7月末にラミレス監督から「レギュラー確定」を言い渡された。セ首位打者を争う叩き上げは、謙虚に現状を分析する。
取材・構成=滝川和臣、写真=長岡洋幸(インタビュー)、BBM

下積み時代を経て眠っていた打撃センスが花開いた昨季。今季はさらに貪欲に上を目指す/写真=井田新輔


首位打者を争う打撃開眼の要因


取材当日は都市対抗野球の真っ最中だった。宮崎敏郎の古巣セガサミーは1回戦を突破したばかり。同チームの主将を務めるのは、2015年までDeNAでプレーしていた“元同僚”赤堀大智だ。この日も横浜スタジアムのロッカーで、東京ドームの様子をチェックしていた。「ウチのチームは社会人あがりの選手が多いのでよく中継は見ていますよ。1人でも多く、この世界(プロ)に来てくれるといいですね」とエールを送った。自身の成績に目を転じれば、規定打席に到達したのは6月11日。いきなりセ・リーグ2位に登場し、13日には打率.3313でリーグトップに立った。まずは充実のシーズン前半戦を振り返ってもらった。

──振り返れば、春季キャンプは二軍スタートでした。

宮崎 そうでしたね。二軍でやる悔しさというより、一軍でも二軍でもやることは変わらない、そう思っていました。

──キャンプではどんなことを意識して練習していましたか。

宮崎 打撃では自分のスイングに磨きをかけることを課題としていました。体づくりも、しっかりスイングできる土台をつくるメニューに時間を割きました。特に下半身、体幹の強化を入念にやりましたね。キャンプでやってきたことは今のところ、いい方向に向かってくれていると思います。

──開幕から順調にプレーできている。

宮崎 4月に一度、一軍を離れましたが(左ワキ腹の違和感)、それ以外は順調にやってこれていますね。打率では、こういう位置(打率.344で1位、7月27日現在)にいますが、特に数字を意識せずに1日1日、1試合1試合の積み重ねだと思っています。その日、自分ができることを100%でやること。チームに貢献することにベストを尽くし、必死でやっているという状態です。

──6月に打率でトップに浮上して以来、首位打者を快走しています。安定した数字が残せている要因はどこにありますか。

宮崎 しっかりと自分のスイングができていることと、積極的にファーストストライクを打ちにいけていることだと思います。ラミレス監督からもファーストストライクから強くスイングしていきなさい、とアドバイスをもらっていますので、その意識は強いです。

──凡打を怖がってはいない。

宮崎 それは結果論ですからね。打席の中では、自分のスイングをすることだけを心掛けています。

──昨年のインタビューでは下園辰哉選手のアドバイスもあり、右方向への意識が強いとおっしゃっていました。打球方向への意識に変化はありますか。

宮崎 変わらずに広角に、という意識は持っています。今年の状態では・・・

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