取材・文=田辺由紀子、写真=黒崎雅久 チームメートから胴上げされる鍬原。母親をはじめ、周囲への感謝は片時も忘れない
巨人からの1位指名に、野球部の仲間たちから大きな声が上がった。緊張した面持ちが和らぐ。記者会見に続いて行われた撮影では、1年前に新調した紫のグラブを左手に、カメラマンからのリクエストに一つひとつ律儀に「はい」と返事をしながら応えていった。このグラブには、
鍬原拓也がプロを目指す原動力となった母への思いが詰まっている。紫色は母の好きな色。そして内側には、『親孝行』の文字が刺繍されている。
母子家庭で決して裕福とはいえない環境の中、「自分に野球をさせるために金銭面で母には我慢をさせてしまった」と鍬原は言う。野球をやめようとした中学のとき、続ける気持ちにさせてくれたのも・・・
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