週刊ベースボールONLINE

日本シリーズを沸かせた男たち

DeNA・濱口遥大インタビュー 目指したのは“ノー・ノー”ではなかった。

 

日本シリーズを終えたドラフト1位左腕は、休む間もなく奄美で行われている秋季キャンプで汗を流している。ソフトバンクを相手に、8回途中までノーヒットノーラン(ノー・ノー)と好投した第4戦のイメージを頭の中に残しながら、来季に向けて始動した。しかし、ハマに響いたルーキーの咆哮は本人が思う以上に強烈なインパクトを残していた。日本シリーズの激闘を終えた3日後、本人に“あの試合”を中心に、ルーキーイヤーを振り返ってもらった。
取材・構成=滝川和臣、写真=BBM

7回二死一塁から松田を右飛球でアウトにすると渾身のガッツポーズ。終盤まで気持ちを前に押し出した投球を披露した/写真=小山真司


崖っぷちの第4戦。高まる熱気、緊張感


10月28日に幕を開けた日本シリーズに、19年ぶりにコマを進めたDeNA。CSまでの勢いをそのまま再現したかったが、目論みは福岡でもろくも崩れる。敵地で2連敗、さらに地元・横浜でも敗れて3連敗。ソフトバンクに日本一王手をかけられて迎えた第4戦。先発に指名された濱口遥大は、並々ならぬ決意を持ってマウンドに向かった。警戒すべき相手は一番に座る柳田悠岐だった。

──日本シリーズが終わって3日間、どんなふうに過ごされましたか。疲労はありませんか。

濱口 買い物に行ったり、少しゆっくりしました。長いシーズンでしたし、その疲れはありますね。

──日本シリーズ第4戦、8回途中までノーヒットノーランという素晴らしい内容でした。

濱口 僕の中では実感がなくて、特別に相手打線を抑えたという感じもないですし、チームが勝ったことが素直にうれしかったです。

──チームは日本シリーズ開幕から3連敗で負けたらシーズンが終わりという状況。さらに地上波でのテレビ中継もあり、注目を集めた一戦でした。

濱口 その余波というか、すごく久しぶりの方に「見たよ!」と連絡をいただいたりしました。僕としてはシーズン中のように投げていたつもりだったので、その部分では周囲とのギャップを感じました。でも日本シリーズの大舞台でもあり、とてもありがたいですし、うれしかったですね。

──試合前、緊張はしなかった。

濱口 緊張はありましたけど、できるだけマイナスなことは考えないようにしました。挑戦者の気持ちで、ぶつかっていこうと。本拠地での日本シリーズということもあって・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング