移籍の決め手は明確な“起用法”だ。平野佳寿のメジャー移籍に備えて(※12月22日ダイヤモンドバックスと契約を発表)、増井浩俊を新クローザーとして招き入れた。先発としても経験豊富な右腕だが、「何のために投げているかを感じられるのはリリーフ」と、オリックスのチーム事情と右腕の思いが合致。キャリアハイを目指し、『セーブ王』の獲得へ。チームを22年ぶりとなるリーグ優勝に導き、相思相愛の移籍を結実させる。 取材・構成=鶴田成秀、写真=佐藤真一、BBM 完全燃焼するために
通算110セーブを誇る右腕が、移籍先に求めたのは、リリーフでの登板機会。一方、平野佳寿のメジャー挑戦で守護神不在が危惧されていたオリックス。まさに球団、そして選手の思いが合致した移籍だった。 ──FAを宣言、そして移籍を決断。例年とは異なり、慌ただしいオフを過ごされていると思います。
増井 こんなにソワソワするオフは初めてですね。でも、オリックスへの移籍を決め、気持ち的にはスッキリしました。それでも今は、日々、不安が出てきているのですが。
──不安とは?
増井 新しい環境に飛び込んでいくので、チームに馴染めるかな、と。それに期待されているのをすごく感じるので、結果で応えないといけない。そういうのを考えると正直、不安が募っていきます。
──マウンド上では表情を変えることなく飄々と投げる増井投手から“不安”という言葉は意外でした。
増井 マウンドに上がる前だって、いつも不安ですよ。でも、いざ上がれば強気の自分に変われるんです。だから、早くプレーしたい。野球をやっているときが、自信を持てるとき。それ以外となると……。移籍先も決まったので、とにかく早く体を動かしたいです。
──そもそも、FAの行使を決心した時期はいつだったのでしょうか。
増井 11月中旬です。シーズンが終わってから。最初は残留を視野に入れながら、という感じでした。でも、2018年で・・・
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