高校3年間で一度も甲子園の土を踏めずとも、プロで輝きを放つ選手は多数いる。今秋ドラフトでも、甲子園“不出場”の逸材球児もスカウトから熱視線を注がれている。その中で本誌が注目する隠れた逸材5人をクローズアップしよう。 取材・文&写真=服部健太郎 派手さよりも堅実に理想の選手像は明確
9月5日にスタートしたプロ志望届提出者の公表。
藤田希和の名は、公示初日に確認することができた。
「春先から『高卒でプロを目指す』という明確な目標を立てていたので、真っ先に志望届を提出しました」
50メートルを6秒で駆け抜ける快足と、遠投105メートルの強肩を持つ17歳は、落ち着いた口調でそう語った。
高校通算打率.410。バットコントロールに長け、卓越した高いミート力を誇る。スチール力も高く、高校時代の盗塁失敗数はわずか3。攻守走がそろった好遊撃手としてドラフト候補に挙がる逸材だが、今春の段階では大学進学を考えていた。
「『プロはまだ早い、実力がまだ足りない』と感じていました。でも監督に『目標がプロならば、高卒で目指せばいいじゃないか』と言われたことで、気持ちが大きく変化しました」
高卒でのプロ挑戦を後押しした井本自宣監督は「たくさんの練習をこなせる体力が備わっていることが彼の大きな財産」と評する。
「彼と同等の遠投力や脚力を持った選手はプロにはたくさんいます。でも・・・
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