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西武08年V戦士・平尾博嗣氏が見るライオンズの強さ 猛打のイメージが好循環を生んだ

 

開幕から一度も首位を譲ることなく、10年ぶりとなるパの頂点に立った西武。他を圧倒しての独走Vの要因は何か。2008年の優勝メンバーで、現野球解説者の平尾博嗣氏が、今季の西武の強さを語る。
取材・構成=鶴田成秀、小林光男 写真=BBM

一番・秋山、二番・源田ら各自が仕事を果たせば、ファンは逆転を期待するばかりだった


“不思議な勝ち”の正体


 良い意味での“不思議な勝ち”が多かった。そこから派生して、いろいろなことに好影響を与えていっての優勝でした。“不思議な勝ち”とは、劇的な逆転勝ち。逆転勝ちは39回、サヨナラは7回。4月には日本ハムに8回を終えて0対8と大量リードを奪われながら、8回に7点を奪い、9回に逆転サヨナラを飾るなど、打線が猛威をふるって勝利を手にしてきました。敗色濃厚の中での勝利は勢いを生みます。好影響はチーム内だけでなく周囲にも及ぼしました。3、4点ビハインドでも「何か起こるかも」とスタンドも期待する。当然、対戦相手も“強打”“逆転”のイメージを持つ。すると、相手バッテリーは「コントロールミスは許されない」と慎重に攻めるわけです。強力打線が、そんな雰囲気と状況を作り上げたからこそ、勝負どころで甘いボールを誘い込み、各打者が弾き返してきました。“強打”のイメージは、相手に与える影響も大きかったのは間違いないでしょう。

 もちろん、好球必打で結果を残した攻撃陣の技術があってこそです。さらに・・・

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