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西武・辻発彦インタビュー 常勝軍団への鼓動 「激しい競争がチーム力を上げてくれるのは間違いない」

 

昨年、10年ぶりの優勝を果たした西武。しかし、CSファイナルステージでソフトバンクに敗退し、日本シリーズへ進出できずに涙をのんだ。さらに、オフに浅村栄斗ら主力3選手がチームを去った。ふたたびゼロからのスタートで連覇を目指す辻発彦監督だが、視線の先には常勝軍団の構築がある──。
取材・構成=小林光男、写真=大泉謙也


目の前のことだけでなく3、4年後を見据えて


 2月1日、キャンプ地である宮崎・南郷の空は青く澄み渡っていた。監督に就任して3年目。2位、1位と着実に結果を残し、今年は日本一を期待されるが、それは簡単なことではない。「解説者の多くはソフトバンクを1位に挙げるんだろうな」と辻発彦監督も昨年の日本一チームが強敵であることは実感している。ただ、もちろんそれを甘んじて受け入れるわけにはいかない。昨年も戦前の評価は低かったが、見事に頂点をつかんだ。不安の中にも楽しみを抱きながら、選手に視線を送っている。

──キャンプインにあたり監督1年目は「不安」、2年目は「楽しみ」と口にしていましたが、今年は?

 今年は浅村(浅村栄斗)、炭谷(炭谷銀仁朗)、菊池(菊池雄星)と主力3人が抜け、もちろん不安はあります。しかし、新加入や既存の選手への期待もあるのは確か。彼らがどのような気持ちでキャンプを迎え、シーズンに向かっていくのか。まだ、どういった布陣で戦っていくか決まっていません。みんなが競争する立場にあります。チーム内の競争が激しければ激しいほど、チーム力は上がると思っているので、そういう意味では楽しみですね。

──そこには実体験もある。

 はい。私もプロ2年目(1985年)、鈴木康友、行沢(行沢久隆)さんとセカンドのレギュラー争いをしていました。みんなどんぐりの背比べ。そのなかで自分は足と守備範囲では負けていないと思っていました。それで開幕戦は鈴木、2、3試合目は行沢さんが起用されましたが結果が出ず、4戦目は私がスタメンで試合に出たんですよ。後楽園での日本ハム戦。私も必死でした。バットを折りながら内野安打を2本放って、チャンスをつかんで。その年は130試合中、110試合に出場。未来が見えてきたシーズンになりました。でも、結果を残せたのは競争があったからこそでしょう。

──今年は浅村選手がFA移籍し、正二塁手が不在となりました。

 まず、年齢面から考えても栗山(栗山巧)をレフトで起用し続けることはできない。DH、代打もある。そのとき、外崎(外崎修汰)をセカンドで起用したら・・・

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