週刊ベースボールONLINE

2019ドラフト「令和元年」の逸材発掘

津森宥紀(東北福祉大/投手) 数字以上のキレ誇る万能サイドハンド「プロは自分の夢であり、親の夢でもある」

 

卒業時は「即戦力」として期待される大学生は昨年、侍ジャパン大学日本代表でも活躍した右腕2人を取り上げる。最終学年を迎えて心身とも充実しており、さらに飛躍しそうだ。
取材・文=高橋昌江 写真=矢野寿明

腕のしなりの良さはかつて、ヤクルトの守護神で活躍した林昌勇を彷彿とさせる。140キロ台後半の直球も、体感では大台を軽く突破している


NPBスカウトは上位候補に太鼓判


 今春から全面人工芝となった、宮城県仙台市内の東北福祉大学野球場周辺には、いくつもの桜の木が並ぶ。そのツボミがふっくらと膨らみ始めた4月13日、仙台六大学リーグ戦が開幕。津森宥紀にとって学生ラストイヤーが始まった。キャンプ中から決まっていた開幕投手(対宮城教育大)として、8回2安打12奪三振で無失点。数字上は文句なしの出来に見えても、仙台の桜と同じように「状態はまだ6、7割ほど」と、万全とは言えないスタートだった。

 5回まで一人の走者も出さず、イニングの球数も12〜18球を推移しリズムの良い投球を続けたが、6回二死から四球、左安打、四球で満塁のピンチ。この場面を見逃し三振で斬り、8回も二死満塁を空振り三振で脱した。「三振を取りたいところで取れたのは良かった」としながらも、浮き沈みのある内容に「前半は安定していましたが、途中からは投げ込み不足ですかね。9回を完璧に投げられるようにしたい」と反省を口に。

 日に日に鮮やかになる桜のように、約2カ月続くリーグ戦でピークを持っていくのは、上位校と対戦する後半。それは視察したスカウトも承知の上だ。開幕戦には8球団が訪れ・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング