うれしいときの感情をチームの誰よりも体で表現し、指揮を執る。その気持ちが選手たちにも浸透。今ではチーム全体が明るさに満ちている。“矢野ガッツ”による改革が実を結び始め、昨季の最下位からの快進撃が始まろうとしている。その矢野改革の中心にある考えとは――。 ※成績・記録は6月1日時点 文=酒井俊作(日刊スポーツ新聞社)、写真=BBM 体育の先生のように選手たちを見守る
すでに
阪神が快進撃に転じていた5月初旬の甲子園で、一塁側ベンチにいる誰もが深くうなずいた。
DeNA戦の試合前練習中だった。突然、バックスクリーンが試運転を始めた。ビジョンで「子どものころの夢」という問いに選手が続々と答えていく。
矢野燿大監督の順番だ。
「体育の先生」
番記者は顔を見合わせて口々に言う。「ホンマやな」「そうだよな」。異論を挟む者はいない。これが、今季からタイガースを率いる指揮官を表す端的なイメージなのだ。
開幕直後は昨季最下位のダメージを引きずるかのように投打ともに振るわず、黒星が先行した。借金6を背負う最下位……。だが・・・
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