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2020ドラフト注目選手クローズアップ【社会人編】

栗林良吏(トヨタ自動車・投手) 投手キャリア6年目。類まれな野球センス

 

高校時代は主に遊撃手。投手専任となったのは名城大入学以降で、大学ジャパンにも名を連ねた。4年時はプロ志望届を提出も指名漏れ。2度目のチャンスは必ず手にしてみせる。
取材・文=小中翔太 写真=佐藤真一

昨年11月の日本選手権1回戦[対マツゲン箕島硬式野球部]では4安打シャットアウト劇。自身全国大会初勝利が大きな自信になった


 おそらく私服で街中を歩いている姿を見れば、好青年そのもので、勝負師と呼ぶには違和感があるだろう。だが、マウンドに上がると雰囲気は一変する。社会人1年目の昨シーズンから投球の安定感は、とてもルーキーとは思えなかった。最速153キロを誇る右の本格派・栗林良吏は初の都市対抗マウンドとなった三菱自動車岡崎との3回戦で7回途中を2安打2失点に抑えると、JFE東日本との決勝でも先発マウンドを経験した。

 マツゲン箕島硬式野球部との日本選手権初戦では、立ち上がりに2安打を浴びたが、相手の主軸を連続三振に仕留めピンチを切り抜けると、2回以降は二塁すら踏ませない。毎回の13奪三振で4安打完封勝利を挙げた。うれしい全国での初白星から、中2日で臨んだ三菱日立パワーシステムズとの2回戦でも6回9奪三振無失点と好投を見せた。15イニングで22奪三振。藤原航平監督は新人・栗林の起用法について「組み合わせが決まったときから決めていました」と、指揮官の信頼は厚かった。この1年間の快投により「2020年の上位候補」との呼び声も聞かれる。

「マウンド度胸、プレートさばき。相手に向かう気持ちもありますし、その上で冷静に相手を見て投げられる部分で、頼もしいなと見ています」

 左打者の懐に強い真っすぐを投げ込んだかと思えば、フルカウントからの変化球でも勝負できる。振ってこないと判断した場面はストライクゾーンに入れ、空振りを狙う際には低めに強く投げ込むなど、同じ球種でも強弱をつけている。誰もが簡単にできる投球術ではない。しかし、本人は意外な言葉を口に・・・

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