ネットが置かれた打撃投手という制限された環境で、150キロ台後半の剛球を連発した18歳右腕。史上最速、夢の170キロも俄然、現実味を増してきた。これから数々の伝説を紡いでいくことを予感させる“令和の怪物”。その現在地、そして輝ける未来を予想していく。 写真=内田孝治、川口洋邦、BBM 変化球も一級品
打球の直撃を防ぐ「L字ネット」が置かれたフリー打撃で160キロ近い球を平然と投げるのだから、やはりただ者ではない。
ロッテのドラフト1位、高卒ルーキーの
佐々木朗希は3月下旬、ZOZOマリンでの練習で2度にわたってフリー打撃に登板した。プロで初めて打者相手に投球する中で、3月24日は最速157キロをマーク。27日にはキレ味鋭いスライダーやフォークも交えた。
潜在能力の高さを感じさせたのは、2度目の登板となった27日だ。直球は平均で150キロを優に超え、フォークは抜ける球もあったが、130キロ台後半のスライダーは打者の手元で急激に曲がる。見守った
井口資仁監督は「自分が打席に立って見たいところだけど、立てないのでね」と冗談めかしつつ、「スライダーとフォークはどっちも厄介。直球は分かっていても前に飛ばないし」と大絶賛。さらに、ブルペンではフォークとスプリットを投げ分けていることも明かした。
この日は事前に球種を伝えた中での投球。高卒3年目の
安田尚憲、同じく2年目の
山口航輝に対し、ボール球を見極められる場面も少なくなかったが、それは織り込み済み。山口は「直球は見たことのない速さで、怖さを感じた。球種が分からない状態だと、スライダーを中心に振ってしまうと思う」と驚いていた。
最速163キロをマークした剛速球ばかりが注目されるが・・・
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