矢野耀大監督からは絶大な信頼を寄せられている。開幕延期がどんなに長引き、対戦相手がどこになろうが、開幕投手はこの男と決めている。その信頼は投球以外の、野球に取り組む姿勢も評価しているからこそ。阪神の新エースが、自らの投手論を語る。 取材・構成=椎屋博幸 写真=毛受亮介、早浪章弘 ※取材日3月17日 試合は「試し」の場
オリックスに入団し高卒3年目から先発ローテを担い、9年間、そこを仕事場としてきた。真っすぐにスピードがあり、ものすごい変化球があるわけでもない。そこは試合を「試し」の場として、実戦で勝つ術を身に付けてきた。 ──開幕投手として、現状で開幕が決まらない状況です。延期となり気持ちの切り替えは難しかったのでは。
西 しっかりリセットはできました。延期が決まった日(3月9日)から3日間でリセット作業をしました。今は、ほぼ開幕のことは気にしていません。開幕日が正式に決定した後、その開幕の6日前からしっかり仕上げられるようにと考えています。
──体のピークは一度、3月20日になっていたと思います。
西 ピークを持っていこうとしたのは「心」の部分のみです。体は、夏場にピークを持っていく。そういう投手が、1年間先発を守れるピッチャーだと思うんです。その中で今季、僕が試そうとしてることは、何年も前から考えて準備していたので、あとは試合で披露するだけ。今季やろうとしていることを、今季のキャンプで試しているようでは遅いです。
──昨季の段階から試そうとしていることがあるんですね。
西 今季やりたいと思ったことは何年も前から練り上げないと、成功しない。変化球でも歴代の投手コーチの方々から「新しく覚える変化球が勝負球になるまでには2年はかかる」と。まったくそのとおりだと実感しているので、すでに昨年のシーズン中から試していました。そしてその試したいと感じることは、さらに2、3年前の試合中にありました。それで徐々にフィーリングが合ってくる。「試すこと」をキャンプでやるなら、それはブルペンエースになる可能性が高い。でも・・・
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