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2020開幕を待つ男たちスペシャルインタビュー

DeNA・山崎康晃インタビュー 『ヤスアキJUMP』を感じながら 「ファンの皆さんの熱意を胸に受け止めマウンドに上がりたい」

 

昨年のセ・リーグはどの球団もクローザーが固定できず、苦労した。そんな中でベイスターズの9回には「ハマの小さな大魔神」が君臨。2年連続最多セーブのタイトルを獲得した守護神の存在は、チームの強みだ。待望の開幕を前に、イレギュラーなシーズンを投げ抜く術、そして、無人のスタンドでプレーする心境について語った。
取材・構成=滝川和臣 写真=小山真司

無人のスタンドをバックにリリーフカーを降りてマウンドへ向かう。シーズン序盤は静かな登場となりそうだ


プロ野球の底力を見せる


 本来であれば、この6月を山崎康晃はどんなふうに過ごしていたのだろう。交流戦は終盤を迎えパ・リーグの強打者相手に9回のマウンドに立っていただろう。そして、7月に招集される侍ジャパンの合宿──東京五輪への思いも自然と強くなっていく時期であったはずだ。当然、本人の頭の中には2020年に対して思い描いていたイメージがあり、それだけに新型コロナウイルスによってすべてが狂ったシーズンに複雑な思いを抱いているだろう。しかし、インタビューではそんな素振りは一切見せずに、いつもどおり前向きな背番号「19」がいた。

──6月19日、開幕が決まりました。

山崎 3月から開幕日がなかなか決まらずに難しい状況が続きましたが、ようやく日程が決まり、チームは2週間後に迫ったシーズン開幕に向けて再始動しています。しばらくの間は無観客での試合となりますが、たくさんのファンの皆さんの応援をしっかりと受け止めてプレーするつもりです。

──個人的な気持ちはいかがですか。

山崎 例年になくタフで難しいシーズンとなると思いますが、こういうときこそ僕たちプロ野球の底力を見せたいなと思っていますし、そういうプレーを個人的にも意識してやっていきたいですね。

──6月に入り、対外試合もスタート。状態はどうですか。

山崎 練習試合から無観客で行っているということもあり雰囲気はいつもと違いますが、そんな中でもいつもと変わらない状態でマウンドに上がることを心掛けています。打った、抑えた、という結果よりもケガなくマウンドに上がれていることが一番。そのことに感謝したいです。

──自主練習期間には、TV電話でインタビューする動画『突撃! ヤスアキマイク』をアップしてファンを楽しませてくれました。

山崎 ファンの方に笑顔と勇気を伝えるために僕たちから発信できることはないかな?と考えて球団と相談しました。多くの方に動画を見ていただいたようで、最終回は南場(南場智子)球団オーナーにご自宅から登場いただきました。ほかにも普段なかなか見ることができない選手たちの素顔もお届けできたのかなと思っています。

──企画、立案から山崎選手が担当されたようですね。

山崎 こんなことがやりたい、あんなことがやりたい、と相談させてもらいました。もちろん僕だけの力ではなく、球団の動画編集する部署であったり、いろいろな方の協力があって発信することができたわけですけど。シーズンが開幕したらこうしたことはできないので、野球が見られないときに少しでもファンの方に喜んでもらえたら、と考えました。幸いにも好評でしたので、また別の機会にやれたらいいですね。

──3月末から1カ月以上続いた自主練習では、何をテーマに取り組んでいましたか。

山崎 ケガなくシーズンを投げ切ることですね。コンディショニングについて、トレーナーと投手コーチと話したうえでメニューを組んでやっていました。幸いにもベイスターズは練習環境を用意していただいたので、その中でできることをやっていました。

──昨年10月のCS以来、公式戦から8カ月遠ざかっています。こんな経験は初めてでは?

山崎 プロでは初めてですし、それこそ小学生でスタートした僕の野球人生でゴールデンウイークを初めて感じましたから。それだけイレギュラーなシーズンなんだと思います。でも・・・

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