ルーキー特集の2人目のインタビューは、セ・リーグ新人王候補の一番手でもある、広島のドラフト1位・森下暢仁だ。開幕から先発ローテーションに入ると、初先発初勝利こそ逃したが、2試合目の登板でプロ初勝利。防御率は2.18と安定した投球を続けている。初勝利はもちろん素晴らしいが、目標はまだまだその先。その胸の内を、評論家の大野豊氏の分析(→こちら)とともにお送りする。(成績は7月12日現在)。 取材・構成=藤本泰祐、写真=太田裕史、毛受亮介 7月9日のDeNA戦[マツダ広島]では、激しい雨の中でマウンドに上がり、初回に2点を失ったが粘投、5回2失点にまとめ、ゲームを壊すことはなかった
バックを信じて投げることを意識しています
プロ初勝利は2度目の登板、6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)だった。「絶対勝とうと、前の登板よりさらに気持ちを入れて腕を振った」というこの日は、8回まではわずか5安打2四死球で無失点。完投目前の9回に3失点して初完封、初完投は逃したが、堂々の初勝利だった。 ──6月28日のプロ初勝利をあらためて振り返っていかがでしょうか。
森下 そうですね、やっぱり、“これでスタートできた”という気持ちです。1勝できてホッとしたというよりも、これからまだまだ、一つひとつ(勝利を)積み重ねて頑張っていきたいな、という気持ちのほうが強いです。
──ここまではいい投球ができていますが、何が好結果に結びついていると思いますか。
森下 一人ひとりのバッターに対して、やっぱり向かっていくというか、1球1球、集中して投げるということを意識してやっています。いい位置で周りの野手の皆さんが守ってくれているというのがあるので、とにかく、バックを信じて投げるということを意識してやっています。
──練習試合の終盤は少し点を取られましたが、そこから開幕までの間に修正したことなどはありますか。
森下 いえもう、特にはありません。
初勝利の1週間前、6月21日のDeNA戦(横浜)のデビュー戦も、印象は鮮烈だった。序盤のピンチを切り抜けると、中盤はスイスイ投げて7回を4安打無失点。勝利投手の権利を得てマウンドを降りたが、救援投手が打たれてサヨナラ負けし、プロ初勝利はお預けとなった。 ──6月21日、初めてプロのマウンドに上がったときを振り返ってください。一番印象に残ったことは。
森下 やっぱり、お客さんが入っていなかったのが一番寂しかったですね。それだけに、「これからお客さんが入ったらどうなるんだろうな」という気持ちになりました。
──公式戦を経験して、始まる前に想像していたのと違っていた部分や、あらためて実感したことは?
森下 やっぱり・・・
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