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熱、帯びるマリンの風。2020ロッテ進撃

ロッテ・和田康士朗インタビュー だから、僕は走る

 

自慢の足で新風を吹き込んでいる。「今年のウチは終盤に追いつける」と井口資仁監督が言い切るのは、この男の存在も大きい。代走で8盗塁を記録し、一番打者としても安打と足で好機を拡大。開幕直前に支配下登録を勝ち取った背番号63が“切り札”としてロッテ進撃の原動力となり、シーズン後半のキーマンになり得る存在となっている。貫き続ける積極果敢な姿勢──。確かな思いを胸に、頂点を目指してシーズンを走り抜ける。
取材・構成=鶴田成秀 写真=榎本郁也、BBM


最大の武器は進化中


 50m走5秒8の快足を武器に、6月の練習試合開始直前に支配下登録を勝ち取った。一軍は未知の領域ながら、果敢な姿勢は崩さない。1点を追う開幕戦の9回にプロ初盗塁を決め、その後、同点に追いつくなど、背番号63の足は、チームに欠かせぬ戦力に。攻撃に勢いを与える自らの武器──。そう自覚しているからこそ、今なお盗塁技術の進化を止めることはない。それは育成から這(は)い上がってきた男の強さでもある。

──初球から盗塁を試みるなど果敢な姿勢はチームに勢いを与えています。

和田 いや、僕が一番ビックリしています。こんなに足で目立てるなんて思っていなかったので。足に関しては、想像以上に通用していると驚いていますし、盗塁がこんなに成功するなんて思っていませんでした。

──“想像以上”の活躍を自己分析すると、どんな答えが出ますか。

和田 準備だと思います。事前の準備をしっかり徹底できている。相手のピッチャーのけん制の頻度やスピードなど、対戦相手の傾向を頭に入れて試合に臨んでいるんです。ただ……。

──ただ?

和田 (支配下1年目で)初対戦がほとんどなので、映像や数字などのデータだけでは分からないことも多いんですよね。塁上で初めて感じることもある。一番は、けん制のスピード。どのくらいのモーションで、どのくらいのスピードで投げてくるか、というのは実際に感じて分かることのほうが多いです。

──シーズンも半分を消化し、試合を重ねる中で経験を生かしている、と。

和田 はい。試合を重ねるたびにつくづく思うんです。やっぱりファームよりも警戒度は高いな、と。けん制も何度も何度も来るし、速く投げるとき、遅く投げるときなど、パターンも多い。準備に加えて・・・

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