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12球団キャンプ通信簿/セ・リーグ

各チームの仕上がりは?

 

読売ジャイアンツ
昨季順位 1位[84勝53敗7分/勝率.613]

[80点]
○定位置争い激化で底上げ
Xケガ人続出で出遅れ数名

近年希に見る緊張感の中、着々とチーム作りが進行

 補強と台頭しつつある生え抜きの若手の存在で、昨季までのレギュラー陣を巻き込んでの定位置争いが激化。近年希まれに見る緊張感の中で、日本一奪回へのチーム作りが進行したと言える。

 中でも最大の収穫は原監督が「現時点でのベスト」として挑んだ2月22日のオープン戦DeNA戦(那覇)で、二番・中堅の先発をつかんだ橋本と、20日の練習試合LG戦(那覇)でチームの対外試合初アーチを放った坂口だろう。

 一方、投手では先発ローテ候補だった澤村、今村が肩の不調で二軍落ち。開幕ローテ争いからの脱落が残念。とはいえ、同ポジションには大竹、セドンを加えており、現状、大勢に影響がないのは「過剰」と一部批判を受けながらも計画的に補強を進めた結果だろう。また、6年連続60試合以上登板の山口が左肩脱力感で一時チームを離れたが、検査の結果、軽傷。21日には練習を再開しており、ホッと胸をなでおろしたところ。

 いずれにしろ、直前まで“開幕”を目指した競争は続いていく。

[キャンプMVP] 井端弘和[内野手]


井端塾開講中

 日に日にその存在価値を高めている。特に沖縄入り後、中日時代から恒例行事であった連日の特守を毎早朝に敢行。自らを高めるにとどまらず、藤村大介坂口真規ら志願して“井端塾”の門を叩いた若手に対し、身振り手振り、時には実演をして望まれている指導も行い、チーム力の底上げに一役買っている。2月23日のオープン戦楽天戦(那覇)ではサヨナラ打で勝負強さも披露。虎視淡々と、二遊間の定位置どりをうかがっている。
阪神タイガース
昨季順位 2位[73勝67敗4分/勝率.521]

[65点]
○若手の底上げが少しだけ
X主力のケガ、病気が多し

掛布DCの指導効果大も、病気とケガでダウン続出

 秋季キャンプから掛布雅之DC(GM付育成&打撃コーディネーター)が若手を相手にすでに指導。その成果もあってか、春季キャンプに入ってからも沖縄組、安芸組かかわらず若手野手陣が黙々とバットを振り、実力を上げてきた。

 また、秋山や岩本など、若手投手陣も藤浪の後を追うように連日気迫のある投球を見せるなど残り3枚も空いている先発枠を争う姿勢を見せており、いい緊張感でキャンプを過ごせた。

 しかし、その一方でほかの球団には見られなかった異常事態が発生。新人合同自主トレではドラ1の岩貞らがカゼなどでダウンしたかと思えば、キャンプインすると主将の鳥谷、正捕手の藤井に新加入の鶴岡などが次々にインフルエンザにかかる事態となった。さらに一番打者の西岡も右ヒジ痛で一時、リタイアした。天候にも恵まれず実戦練習ができないという不運が続いた。これからオープン戦などでどれくらい挽回できるかだが、不安要素が目立った2014年のキャンプとなった。

[キャンプMVP] 福留孝介[外野手]


リーダーシップを発揮中

 左ヒザの手術などで自己最低の打率(.198)に終わった昨季。オフに入ると断食を敢行し、厳しい自主トレでキャンプインを迎え、初日から軽快な動きを見せた。それ以上に目についたのが後輩たちに積極的にアドバイスを送る場面が多かった。プロ2年目で一軍キャンプに抜てきされたPL学園高の後輩・緒方をキャッチボール相手に指名。また走塁練習ではコーチを差し置き円陣を組み苦言を呈するなど、阪神2年目でリーダーとしてチームを引っ張っている。
広島東洋カープ
昨季順位 3位[69勝72敗3分/勝率.489]

[95点]
○新戦力が好アピール
X主軸候補の負傷離脱

新人が持ち味を発揮
あとは実戦での結果を


 2月19日に宮崎・日南での1次キャンプを打ち上げた野村監督は「良いキャンプが送れた。100点だね」と笑顔を見せた。

 指揮官が注視したのは新戦力たちだ。一軍キャンプに帯同した4新人はそれぞれ持ち味を発揮。ドラフト1位の大瀬良はブルペン、シート打撃、紅白戦と段階ごとにギアを上げた投球を見せ、22日には阪神とのオープン戦でチームの“開幕投手”を務めた。三塁のレギュラー獲得も視野に入ってきたドラフト3位の田中、中継ぎの即戦力として期待が集まる西原ら、4人全員が実戦中心となる沖縄2次キャンプへのキップを勝ち取った。助っ人左腕のフィリップスとロサリオを含め、今後は実戦の中でチームの戦力となるかどうかを見極めていくことになる。

 わずかなマイナスポイントは序盤の負傷者か。昨季打点チーム3位の松山が左太もも裏の肉離れで開幕へ黄信号。自慢の投手陣は順調な調整を見せているだけに、打線の主軸候補の離脱がどう影響するか。

[キャンプMVP] 一岡竜司[投手]


中継ぎ起用にメド

 巨人へ移籍した大竹の人的補償で加入した23歳が、新天地で最高のスタートを切った。実戦初登板となった2月9日の紅白戦ではフォークが冴え、2回を投げて5奪三振。松田元オーナーをして「取って良かった」と言わしめた。指揮官の構想に入ったことは間違いなく、シーズンでは中継ぎを務めることが濃厚。「まずは1ホールド。1試合でも多くチームに貢献したい」と右腕は現在の状況を前向きにとらえ、さらなるアピールに励む。
【中日ドラゴンズ】
昨季順位 4位[64勝77敗3分/勝率.454]

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