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10月1日の楽天戦(札幌ドーム)は、21年間ファイターズ一筋でプレーを続けた金子誠の引退試合として開催。チームメートにもり立てられながら、金子は攻守に光るプレーを見せ、最後のゲームを8対1の快勝で飾った。華麗なグラブさばき、見事なヒットと犠飛、全力疾走を満員のスタンドの前で披露した。
写真=早浪章弘



 今季限りで引退する日本ハムの金子誠内野手が10月1日、自身の引退試合で大活躍。CS進出を決めており、重圧から解放されたナインは、一丸となって大先輩を送り出すために素晴らしいプレーを見せた。金子は九番・遊撃で先発出場。初回に岩崎達郎の遊ゴロを難なくさばくと、3回には西田哲朗の深い遊ゴロを好捕、自慢の強肩でアウトにした。

 3回の初打席で楽天の先発・則本昂大の速球をセンター前に弾き返す。続く西川遥輝の右前打で三塁まで激走し、中島卓也の右前打で生還した。4回は一死二、三塁の好機に三ゴロに倒れるが、三走が挟まれたため一塁に残り、続く西川の一塁線を破る三塁打で一気に本塁まで走り抜いた。

「1、2打席目とかわいがってきた後輩が、ややこしいヒットを打って、かなり走りました。しんどいです(笑)。最後まで持つか分からないよ」と2得点をうれしそうに振り返った。



 5回にもこの日3つ目の遊ゴロを華麗にさばいた。6回の打席は三ゴロに倒れるが、7回は一死二、三塁からレフトに犠牲フライを打ち上げ、現役最後の打席で通算620打点をマーク。後輩たちにもり立てられながら、最後のゲームで攻守走に力を出し切った。

 試合後のセレモニーでは、家族や同じく引退する稲葉篤紀から花束を受け取り、思わず涙。さわやかなスピーチで締めくくり、場内を一周してファンに別れを告げた。



全文掲載! 引退スピーチ


 北海道日本ハムファイターズ金子誠、引退します。東京で多摩川の河川敷から始まって、厳しい先輩、厳しくも愛情たっぷりの尊敬できる先輩に囲まれて、野球人としての土台ができたと思います。

 北海道へ移転して11年。自分自身、生まれ変わった野球選手として、北海道の大地の温かいファンに囲まれて、とても素敵な11年を過ごすことができました。野球は1人ではできません。ライバルであり、仲間であるチームメート、裏方さんやトレーナーの支え、一緒になって用具のことを考えてくれるメーカーの方。そしてファンの声援。何よりも家族の大きな支え。いろんな人たちに支えられて大好きな野球をさせていただきました。本当に感謝しています。最後は、こんなにも支えられていたのに、自ら引退する決断をして、ごめんなさい!

 ファイターズはこれからも、まだまだいろんな歴史やドラマを作っていってくれる球団だと思います。チーム、ファン、北海道、みんなで一緒になってこの先も素敵な歴史やドラマを作っていってください。

 金子誠の野球人生は、ファイターズという一本の川の流れに乗り、21年の時を経ていま大海原にたどり着きました。最後に、今日は僕のために集まってくれて(拍手)ありがとうございました。皆さん、家に帰るまで、気を付けて帰ってください。21年間本当にありがとうございました。
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