年が明け、2015シーズンへ向けた戦いはさらに加速していく。2014年は今年に飛躍するための序章に過ぎないと言わんばかりに、熱き心で新シーズンに挑む若き選手を紹介する新連載がスタート。その第1回を飾るのは、2年目の杉浦稔大だ。ルーキーイヤーはケガの影響で苦しいシーズンとなったが、それでも一軍で2勝を挙げ、今季は開幕から先発ローテーションに入ることを期待されている。言葉の端々からうかがえるのは、確かな自信と覚悟。チームの柱となりうる右腕の、新シーズンへの思いに迫った。 取材・文=阿部ちはる 写真=荒川ユウジ(インタビュー)、BBM 最悪のスタート
2014年春、開幕を目前にしてチームに衝撃が走った。ドラフト1位の杉浦稔大が右ヒジじん帯断裂。自身はもちろん、チーム、ファンにとってもそのショックは大きかった。手術は回避できたものの、長いリハビリ生活を余儀なくされた、その復帰への道のりを振り返る。
昨シーズンは最初のケガが一番シーズンに響いてしまいました。新人合同自主トレまでは本当に順調でした。ただ、(春季キャンプ地の)沖縄に入ってピッチングを始めて少ししてから、何となく違和感を覚えるようになったんですよ。
ただ、久しぶりに捕手を座らせて本格的に投げ始めたということもあり、張りなのかな? というふうに自分の中では思っていました。ですが日数が経ってもなかなかその張りが抜けなくて、一度練習試合で投げたときに、「このまま投げ続けたらパンクしそうだな」と思いました。ヒジから前腕にかけての張りというか……。
キャンプから帰ってきて病院で診断してみたら、右ヒジじん帯の断裂と診断されました。それが張りじゃなくてじん帯のケガからきていたんだなとそのときに気づきましたね。まさかじん帯断裂……。本当に驚きましたし、プロに入って開幕もする前でしたからね。手術しなくてはいけないのかな、って思いましたし、しばらくは投げられないなと……。
まずスタートとしては良くはなかったですよね。ただ手術をしなくても投げられることはあると聞いたので、一度その方法(リハビリ)でやってみて、それでダメだったら手術すればいいと言われました。3月はほとんど投げず、ヒジ周りや肩周りの小さい筋肉をしっかり鍛えることと、走り込みの日々でした。4月の後半あたりからスポンジボールのような小さいボールでの壁当てを室内で始めて、5月くらいにはキャッチボールはしていたと思います。そこから少しずつ強度を上げていって、特に問題もなく行けたので結局手術はしなくてすみました・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン