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19歳の若き守護神が開幕から躍動している。新たなポジションでプロ2年目のシーズンをスタートさせた松井裕樹。ここまでクローザーとして11試合に登板し、無傷の6セーブ。防御率はいまだ0.00と圧巻のピッチングを披露。いま話題の選手を直撃する連載インタビューの第4回は、楽天の上位浮上のキーマンの1人でもある若きサウスポーに話を聞いた。
※記録は5月7日時点
取材・構成=松井進作 写真=高塩 隆(インタビュー)、BBM

クローザーでしか味わえなかった感覚


──ここまでクローザーを任され、負けなしの5セーブ。ご自身としては順調な2015年のスタートを切れたと言ってもいいのではないでしょうか。

松井裕 ピッチングの内容うんぬんは別にして、チームの勝利、最後を締めるという部分では仕事はできているとは思います。あとはこれをいかに長いシーズンの中で継続していけるかですよね。

──今シーズンからクローザーを任されるようになりましたが、開幕前に不安な気持ちはありませんでしたか。

松井裕 それはないです。オープン戦からずっと調子も良かったので。ただ、もちろんプレッシャーはあります。先発ピッチャーの勝ちが懸かっていますし、素晴らしい中継ぎの方がたくさんいる中で最終回のマウンドを任されているわけですから。だからこそハンパな気持ちではダメですし、いまは先発に戻りたいという気持ちは1%もないです。もう、これから先もクローザーとしてやっていくんだという覚悟を持ってやっていきたいと思っています。

──そんな強い思いでプロ初セーブをつかんだのは開幕2戦目の3月28日の日本ハム戦(札幌ドーム)でした。勝利の瞬間は先発での初勝利とはまた別の感情やうれしさがあったのでは。

松井裕 もちろんうれしかったですけど、あの日は自分のセーブどうこうよりも、やっと自分も開幕を迎えられたという安堵感の方が先にありましたね。開幕戦は登板機会がなかったので、やっとチームに貢献できたという感情の方が大きかったです。


開幕2戦目の3月28日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ初セーブをマーク。2点リードで迎えた9回からマウンドに上がり、気迫あふれるピッチングでチームに15年シーズン初勝利をもたらした



──ちなみにアマチュア時代に中継ぎやクローザーの経験は?

松井裕 記憶の中にはほとんどないですね。その前にアマはそこまで投手の役割もプロみたいに分業されていないですから。中学時代に2番手とかで投げた経験は何度もありますけど、こうしたクローザーというポジションをやったことは一度もありません。

──先発とクローザーでは試合に入るまでの調整の仕方がまったく違うと思いますが、現在はどんなメニューでやられているのですか。

松井裕 ホームとビジターで少し違いますけど、ホームの場合は7回表から走ったりして、その裏からブルペンでキャッチボールを始めます。ここに関しては時間は決めていません。その回の攻撃が長ければずっとキャッチボールをやっていますし、逆に短ければ3分程度で終えることもあります。そこから試合展開を見ながら、8回表はキャッチャーの方に座ってもらってピッチングをします。順番は真っすぐを対角線上に3球、外角に3球投げたあと、スライダーを2球、チェンジアップを2球。最後にセットポジションで真っすぐを3球投げて終わりです。これはいつも同じです。

──投げる順番や球種を細かく決めているのにはどんな意図があるのでしょうか・・・

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