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今季、日本ハムの開幕ダッシュに多大な貢献をした。初めての開幕マスクを任され、その後も攻守においてチームを勝利に導いている。ただ、4月末に正捕手・大野が復帰しており、今後の出場は確約されていない。ここからどのように食らいついていくかが注目される、小さな左の中距離砲に話を聞いた。
※記録は5月25日時点
※取材・構成=池田晋 写真=高原由佳、小山真司、桜井ひとし

昨季の経験により余裕と落ち着きがある


──今季は捕手としての出場が多く、ここまでは充実しているのではないですか。

近藤 やはり、勝ってなんぼの世界ですから。その責任を感じるのはキャッチャー、バッテリーだと思います。その中で勝つのはうれしいです。試合が終わったあとはうれしいよりもホッとする気持ちの方が大きいですね。その分負けたときは悔しいですし、バッテリーの責任になってきます。そこにやりがいがあり、チームを勝たせるのは大変だと感じます。

──大野奨太選手が復帰したことは大きな刺激だと思います。

近藤 そうですね。今まで30試合以上に出場して、今後も自分のやることは変わらない。今までどおりアピールしていきます。大野さん、石川亮もいますけど、優勝することがチームの目標です。刺激し合いながら、切磋琢磨し合いながら、目標を達成するためにやっていけたらいいと思います。

──大野選手、石川選手がいる中でポジションを勝ち取る自信はありますか。

近藤 今までしっかりやってきたことを変えず、持っている力を試合で表現できないと、試合に出られなくなると思います。何かを変えるのではなく、どうチームに貢献していくかを考えながら、やっていければいいです。

──昨季は三塁中心で90試合近く出場しましたが、どのような経験になりましたか。

近藤 試合に多く出られたこと自体がいい経験になりました。去年までは自分のことで精いっぱいなのは自分でも感じてました。でも、キャッチャーをやる上で、それではダメだと思っていたのです。去年は特にクライマックスシリーズの緊張感の中で試合に出られたのは、今季キャッチャーをやっている上で、いい経験になっています。少し落ち着きと余裕が出てきて、周りも見られるようになったと思います。

──三塁としては小谷野栄一選手(現オリックス)を上回るチーム内での最多出場試合数でしたが、その点についてはいかがですか。

近藤 栗山(英樹)監督もバッティングで期待してくれていて、そこで使ってもらえたのだと思います。それに応える結果は出せませんでしたけど、試合に出させてもらい、たくさん打席に立たせてもらったことは今年につなげなければならないと思って、キャンプからやってきたつもりです。

開幕戦で大谷とのバッテリーで勝利をつかみ、栗山監督と3人で笑顔を見せた


4月24日のオリックス戦で3打席凡退のあと、9回無死満塁のチャンスでフルカウントから右足への死球でサヨナラ勝利。中田翔らナインに手荒い祝福を受けた



──昨季は同期の上沢直之投手と1試合だけバッテリーを組んで、本人の初完投勝利に貢献しました。同期なので息も合うと思いますが、そのような良い関係をほかの投手とも築きたいと話していましたね。

近藤 上沢は同期入団で、ずっとファームから一緒にやってきました。その苦労も見てきましたし、食事に行く機会が多いので考え方も分かりますし、気持ちを理解しやすい部分はあります。去年までは投手陣の球をあまり受けられなかったので、今年、キャッチャーで行くと決まってから、ブルペンに多く入るようにしていろいろな選手の球を受けて、コミュニケーションを取ることを大事にしてやってきました。

──上沢投手は今季3勝4敗の成績ですが、内容は去年より良くなっていると思います。

近藤 安定感があって試合をつくれていると思いますね。でも、終盤に打たれて、勝利がついていないと焦りが出てくることもあると思います。僕も上沢の登板時に打てていないですし、野手陣がしっかり援護することが必要ですね。勝ち星が先行すれば、余裕も出来てきますし、焦りもなくなるでしょう。勝ちたい気持ちが強過ぎると終盤に打たれることにもつながります。大谷(翔平)、吉川(光夫)さんが勝っているので焦りはあるでしょうけど、うまく話しながらコントロールできればと思います。

──オープン戦でチームとして勝てずに連敗が続きましたが、そのころの状況はどう感じていましたか。

近藤 大変でしたし、あらためて勝つことが難しいと感じました。チームが若くなったので、チームを引っ張っていく気持ちが個人個人に足りなかったと思います。僕もキャッチャーをやっていて年齢に関係なく引っ張っていかなければいけないのは感じてました。シーズンに入ってからは、若いチームとして攻める姿勢が出ていることが、現在の結果につながっていると思います。

流れを変えられる二塁打にこだわる


千葉ロッテジュニアに所属したこともあり、地元に近いQVCマリンフィールド。5月1日からのロッテ3連戦では3試合連続安打で大活躍



──近藤選手自身は打率.323(5月25日時点)で好スタートを切ったと思いますが、その要因は何かありますか。

近藤 特にないですよ。もっと打てると思いますし・・・

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