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中日・若松駿太「勝てる投手ではなく負けない投手」

 

この男がいなければ、今季の中日はさらに厳しい戦いを強いられていたに違いない。プロ3年目で目を見張る飛躍を見せる超新星。竜のホープが、終盤戦でチームの意地を見せてくれるはずだ。
取材・構成=吉見淳司、写真=BBM

9月4日に月間MVPを受賞。会見では20歳のあどけない表情が浮かんだ



チェンジアップ習得のきっかけはテレビゲーム


 8月に4勝1敗、防御率2.12の好成績で自身初の月間MVPを受賞。会見では喜びをのぞかせながらも、最後の試合で5連勝を逃したことに「甘さが出た」と自らを戒めることを忘れなかった。もはやチャンスを与えられる段階は超えている。先発ローテーションの一員としての自覚が、その言葉に表れていた。

――8月度の月間MVP獲得おめでとうございます。受賞は意識していましたか。

若松 周りには言わなかったですけど、意識はしていました(笑)。7月も候補に挙げられて、最後の登板でそこっぱちにやられてしまいましたから。今回も同様でしたが……うれしいですね。縁がないと思っていたので。

――すっかり先発ローテーションに定着し、マウンド上での立ち居振る舞いも堂々としています。

若松 ちょっとずつ自信はついてきていますが、8月に4勝もできるとは思っていなかったので、自分の中ではいい経験になりました。

――好調の要因は。

若松 真っすぐが良くなってきて、アウトローに決まっていたことが良かったのではないかと。8月2日の巨人戦(東京ドーム、5対0で自身初完封勝利)でアウトローへ真っすぐを決める感覚をつかめたと思います。

――ピッチングの基本はアウトローへの真っすぐ。

若松 そうですね。練習ではデニー(友利結)コーチや近藤(真市)コーチと、そこに投げるための練習をしていて、課題であり継続しないといけないところです。それと、ブルペンでは真っすぐのキレに気を付けています。多く投げないと強いボールもいかないと思うので。

――8月30日の巨人戦(東京ドーム)では5回6失点と8月唯一の黒星を喫しました。

若松 ボールが全体的に高く浮いてしまいました。広くはない球場なので、高めにいったらやっぱり持っていかれてしまいますね。

――若松投手のもう一つの武器がチェンジアップですが、テレビゲームが覚えるきっかけだったとか。

若松 プロスピ(「プロ野球スピリッツ」)ですね。1年目(13年)のフェニックス・リーグの最中でした。ゲームで使ってみて・・・

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