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『ジャイアンツ・ファンフェスタ2015』リポート
高橋由伸 18年間の選手生活に感謝、監督就任の誓い

 

ジャイアンツ・ファンフェスタで実施された高橋由伸の現役引退・監督就任セレモニー。ファンへの感謝の思いと次なる目標への決意を語り、東京ドームは感動の渦に包まれた。
写真=大賀章好



 すでに監督業をスタートさせているが、この日ばかりは選手・高橋由伸として、慣れ親しんだ背番号24のユニフォームに袖を通した。

 11月23日、東京ドームで行われたジャイアンツ・ファンフェスタ内のイベントで、ファンに直接のお別れを告げられぬまま現役引退、巨人監督に就任していた高橋由が、引退セレモニーを実施。プロ入り時の監督でもある長嶋茂雄終身名誉監督も見守る中で現役最後の雄姿を披露した。エース・菅野智之がマウンドに登り、阿部慎之助がマスクをかぶっての1打席限定真剣勝負に、東京ドームを超満員にしたファンが酔う。直前まで侍ジャパンの一員としてプレミア12を戦っていた菅野が「全力でいきます。155キロを出します」と宣言していたとおりに剛腕を振ったが、天才・高橋由も負けない。初球、涼しい顔でストライクを見逃すと、2球目の外角高め直球を、左中間へ。打球はスタンドに届かず、悔しそうな表情を見せたが、高橋由らしい投球に逆らわない美しいスイングで安打とし、ファンを喜ばせた。

最後の打席に立った高橋由は菅野が投じた2球目を左中間に運んだ



 最終打席の後、長嶋監督から「勝つ 勝つ 勝つ」と書かれたボールを受け取った高橋由の、ファンへの挨拶が、涙を誘う。


長嶋茂雄終身名誉監督からは「勝つ 勝つ 勝つ」と記されたボール、愛娘からは花束を受け取った



「私、高橋由伸は今シーズン限りで現役を引退します。誇れることがあるとするなら、巨人軍で現役を全うし、完全燃焼できたことだと思います。楽しかったことよりも、重圧を感じ、苦しかったことの方が多かったように思います。そんな日常だからこそ、一方で、達成できたときの喜びは大きく、18年間頑張ることができました。来季からは偉大な先輩方が務められてきた監督に就任します。皆さんに誓います。どんな逆境にも立ち向かい、覚悟を持ってまい進します」

6度宙に舞った高橋由。現役生活に別れを告げ、第18代巨人監督として新たな道を歩み始める



 名残惜しそうなファンとは対照的に、高橋由はスッキリした表情。その後は新入団選手のお披露目に立ち会うと、「早く一軍の戦力になれるよう、頑張ってください」とメッセージ。その目は2016年シーズンの覇権奪回に向けられている。

セレモニー後には新入団選手発表に臨んだ。来季、新たなチームで覇権奪還に挑む

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