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白球ストーリー〜2016年への鼓動〜
密着・大野雄大 「まだメジャーに挑戦してみたい気持ちはある」

 

間違いなく自己最高の1年を送ったが、満足とは程遠いシーズンでもあった。成長の確信と悔しさを糧に、来季はさらに充実の結果を残してみせる。
取材・構成=吉見淳司、写真=BBM



 3年連続の2ケタ勝利となる11勝を挙げた。両リーグ最多の207回1/3を投げた。6完投、3完封勝利をマークした。長い1年を終え、結果的には多くの部門で自己最高の数字が並んだ。それでも、シーズンを振り返ったときに真っ先に口から出たのは反省の言葉だった。

「一番はやっぱり、後半戦にもっとできたんじゃないかという思いです」

 7月8日の阪神戦(甲子園)で9勝目を挙げ、ハーラーダービートップに立った。自身初タイトルが現実的に見えてきた矢先、長いトンネルが待ち受けていた。7月15日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)から4連敗。藤浪晋太郎(阪神)やマイコラス(巨人)に追い抜かされる中、10勝に到達したのは8月20日の広島戦(ナゴヤドーム)だった。

「2ケタのカベというものは意識していないつもりでしたが、何かしらあったのだと思います。今まではシーズン最後にぎりぎりで10勝目を挙げてきましたが、今年はまったく焦ってはいなくて、達成できて当たり前だと思っていたんですが……」

 今季に喫した67失点のうち、7、8回で計24失点を数えた。前半戦までは乗り越えられていた勝負どころで捕まり、白星がするりと手からこぼれ落ちるパターンにはまった。それでも、8月27日のDeNA戦(横浜)に連勝し、自己新の11勝に到達。チームは5位だったが、混セの中ではまだ十分にCS進出の可能性はあった。だが、それが今季最後の勝ち星となった。

「勝てなかったことにはめちゃくちゃ責任を感じています。誰もが前半戦は認めてくれて、自分自身も胸を張って前半はやったと言えますけど、勝負どころの後半があれでは……。前田健太(広島)などは『いくつ勝つねん』というくらいに最後の追い上げがすごかった。自分もそういう投手にならなければいけないと思わされましたね」

 開幕から1度も登録抹消されずにシーズンを完走するのは初めてだった。体験したことのない疲労は失速の要因の1つだろうが、それを言い訳にはできない。「『スタミナ不足』と言われても仕方ない。これを繰り返さないようにしたい」と課題を克服するつもりだ。



世界に示した自らのスタイル


 多くの苦楽を経験しながらペナントレースを終えたが、まだシーズンは終わっていなかった・・・

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