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球界クローズアップ
広島・黒田博樹 2016年も魅せる覚悟のプレー

 

現役最高6億円で更改!


 2016年の現役続行を決断していた広島黒田博樹が12月17日、マツダ広島で契約交渉を行い、15年の4億円から150%アップの6億円でサインした(金額は推定)。球界歴代3位タイ、現役最高額の評価を受け、「41歳となる自分にこれだけの契約をしてもらえた。カープだけでなく、いろんな球団の選手たちにも多少なりの勇気を与えられると思います」と感謝と自負心を交えた言葉を口にした。

 シーズン終了後は白球を置くことも選択肢の1つとした。「やり尽くした気持ちだった。自分の中では終わるんじゃないかなと思っていた」という右腕が探したのは、15年以上のモチベーション。それでも、ファンやチームメートから新シーズンに向けた期待の言葉を掛けられるうち、「続ける理由を探すということは、どこかでもう1年やりたい、やらないといけないという気持ちがあったんじゃないか」と心の声を聞いた。



 プロ20年目は前年以上に厳しい戦いを強いられる。「41歳でマウンドに上がることは簡単なことじゃない」。目の前に訪れる登板機会に向けて、全力で準備を続けることで1シーズンを乗り切るのが黒田の流儀。妥協を知らない取り組みに対し、歳を重ねた肉体が上げそうになる悲鳴を、精神力で封じ込めながら歩を進めてきた。それがいつまで通用するのか。今後はまさに未知の戦いが続く。また、前田健太が抜けた投手陣の支柱として、15年以上の責任感が伴う1年になることも必至だ。

 そして、日米通算200勝の節目に残り7に迫る。「やる以上は勝ちたいので、それも一つのモチベーション。ただ、199勝で終わっても精いっぱいやったのならすっきりすると思う」。限界を超えて挑む新シーズン、黒田はすべてを出し尽くす。



黒田年俸メモ・総額125億円超!球場建てて、選手も雇える!!


 6億円で16年の契約を交わした黒田。過去に黒田以上の年俸を得たのは佐々木主浩(04、05年横浜=6億5000万円)、松井秀喜(02年巨人=6億1000万円)、阿部慎之助(14年巨人=6億円)がおり、16年の黒田はNPB歴代3位タイで、40歳代での6億円更改は初。また、16年の現役選手では最高年俸が確実で、広島の選手が12球団トップとなるのは85年の山本浩二(8500万円)以来、31年ぶりだ。

 広島の選手で初めて年俸1億円を超えたのは1993年の北別府学で1億300万円。98年に野村謙二郎が2億円で契約し、2015年に前田健太が3億円の大台に突入。同じ年、黒田が日本に復帰し、4億円で契約した。

 16年でプロ20年目となる黒田の年俸積算額は125億2100万円(メジャー時代は1ドル120円換算)。ちなみに、16年の広島の支配下登録選手65人の総年俸は24億7695万円(12月20日時点。外国人、ドラフト入団選手含む。前田健太は除く)。黒田の生涯年俸で総工費90億円とされる本拠地・マツダスタジアムを建てて、選手の人件費を賄ってもお釣りがくる計算だ。(金額はすべて推定)
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