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球界の闇を許すな!

東尾襲撃事件と大麻所持 デービスという暴風雨

 

まさに暴風雨のような男だった。日本での5年間で通算打率.331。超一流の助っ人には間違いない。だが、1986年の暴行事件、そして88年には大麻所持で逮捕され、そのまま解雇と、負のイメージのほうがはるかに強い男だった。

東尾を襲撃したデービス。パ・リーグの試合にしては珍しく全国放送されていた


 覚醒剤所持で逮捕された清原和博同様、引退後に違法薬物所持、使用で逮捕されたケースは、いくつかあるが、ここでは唯一現役で逮捕されたリチャード・デービスの例を紹介する。

 事件が起こったのは、1988年6月7日午前8時半ごろだった。大阪市住吉区のデービスの自宅に捜査員10人が踏み込み、家宅捜索。リビングのテーブル上から“チョコ”と呼ばれる大麻樹脂14グラム、パイプなどを押収した。自宅にいたデービスは、当初興奮気味で抵抗したというが、“ブツ”を押さえられた後は、観念したのかすぐおとなしくなり、「友人から傷に効く薬ということでもらった。大麻とは知らなかった。ただ、俺は一度も吸ったことはない」と供述している。

 デービスには米球界時代からコカイン使用疑惑があり、85年には近鉄の球団関係者が渡米して調査したこともあった。そのときは“シロ”の結論が出されていたが、実際には米球界時代から継続して使用していた。

 84年途中、「ゴキブリが出るような球場で野球をやりたくない」と退団したマネーの代わりに急きょ来日し、近鉄に入団。78試合の出場ながら四番に座って、打率.310、18本塁打をマークしている。さらに翌85年にはロッテ落合博満が三冠王となった年で、打撃タイトルこそ最多勝利打点(当時のタイトル)のみだったが、打率.343、40本塁打、109打点と打ちまくった。

 ふだんは陽気な性格ながらとにかく気が短く・・・

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