開幕から好調を保つカモメ軍団のキャプテンは、昨年の悔しさ、チーム状況の変化による危機感から、個としても大きな進化を遂げつつある。チーム好調の要因、そして自らが求める理想像とは――。 取材・構成=杉浦多夢、写真=川口洋邦、大泉謙也、高原由佳 “束”で戦うチーム
3年連続でキャプテンの大役を任され、自らのバットでもチームをけん引している。開幕から粘り強く、時に爆発力を見せつけながら、ロッテはソフトバンクを追走。その背中を視界にとらえ続けている。他を圧倒する戦力とは言えない中で、王者と互角の戦いを演じることができているのはなぜなのか。キャプテン・鈴木大地の今季にかける思いは、他者の想像を大きく超えたものだった。 ――キャプテンとして3年目のシーズンを迎えました。今年はどのタイミングでキャプテンを打診されたのでしょうか。
鈴木 2月1日からキャンプインなのですが、僕は1月30日に現地へ入りました。次の日の朝食で伊東(勤)監督とばったり会って、「今年もどうだ、キャプテンやるか?」と聞かれたので、「やります」と。昨年のクライマックスシリーズ(CS)で悔しい思いをしていたし(ファイナルステージでソフトバンクに3連敗で敗退)、伊東監督も代わることなく2016年をスタートすることになっていたので、このままキャプテンを代わっては心残りになるな、という気持ちがありました。そんなときに監督本人の口から伝えられたので、気持ちが引き締まりましたね。その後のミーティングでも「今年もキャプテンは大地でいく」って言ってもらえて。もし朝食のときに監督と会っていなかったら、どうなっていたんだろうと思います(笑)。
――やはり昨年のクライマックスシリーズの悔しさは、チームで共有されているのでしょうか。
鈴木 共有されているかは分からないですけど、個人的にはすごく残っていますね。一昨年、初めてキャプテンをやったときはCSに出場できませんでした。でも、昨年はもう少しで日本シリーズに出られるというところで(ソフトバンクに)完敗。すごく悔しかったです。だから・・・
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