9月24日、楽天が日本ハムに敗れた時点でロッテが2年連続となるCS進出を決めた。その数分後には自らもQVCマリンでオリックスにサヨナラ勝ちを収めて華を添えたが、これで視線は“下剋上”へ向けたCSをとらえられる。2005年、10年に続くお家芸の下剋上へ、果たしてどのようにシナリオを描くのか。 写真=川口洋邦、BBM 下剋上を成すためのポイント
一、湿りがちな打撃陣の強化
二、
石川歩&
涌井秀章に続く先発投手
三、リリーフ陣を中心としたケガ人の復帰
喜びよりも悔しさと闘志
下剋上──。ロッテが2010年にレギュラーシーズン3位から日本一まで駆け上がったときのキーワードだ。球団として31年ぶりに2年連続でAクラス入りを果たした今季、“下剋上”での歓喜の再現に挑む。
本拠地QVCマリンで3位を確定させた9月24日のオリックス戦を終え、
伊東勤監督はクライマックスシリーズ出場を喜ぶよりも「1位、2位との差がかなり開いている。屈辱的ととらえている」と闘志をあらわにした。ただ、3位に食い込んだことで、チャンスをつないだこともまた事実。「捨て身で向かうしかない。チャレンジャーという気持ちを忘れずに向かっていってもらいたい」と選手の奮起に期待を込めた。
日本シリーズ出場のため、指揮官が真っ先に指摘したのは打撃面だった。「徹底的に打ち込まないと。今の感じだと、強いボールを打てない。上2つにはいいピッチャーがたくさんいるから」。僅少差を守り勝つ野球を理想とする監督がそう口にするほど、終盤の得点力不足は深刻だった。
ロッテ打線は150キロを超える速球を投げ込む先発投手を苦にする傾向がある。日本ハムでは
大谷翔平からは5試合、32回1/3で13点を挙げているが、
有原航平からは3試合、24回でわずか3点しか奪えず、
増井浩俊にも先発転向後に限れば3試合、21回で3点に抑え込まれている。
ソフトバンクも同様で、
千賀滉大は6試合、42回で11点、
バンデンハークも2試合、15回で2点。この苦手を克服しない限り、勝機はふくらんでこない。
核になるのは・・・
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