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My Time〜素顔の時間〜
阪神・岩貞祐太 子どもたちから元気と勇気を 熊本地震復興支援野球教室&熊本市立若葉小学校訪問
阪神・岩貞祐太 子どもたちから元気と勇気を 熊本地震復興支援野球教室&熊本市立若葉小学校訪問

 

2016年4月14日、16日に熊本県中央部を襲った大地震。最大震度7を観測した益城町など各地で大きな被害に見舞われた。同じく被害を受けた熊本市は阪神岩貞祐太の故郷。母校の若葉小学校は避難所となった。昨年12月27日、岩貞は故郷・熊本にいた。この日、プロ野球選手会&日本プロサッカー選手会主催の熊本復興支援イベント「被災地訪問野球教室」に駆けつけ、そして最後に母校に立ち寄った。
取材・構成=椎屋博幸、撮影=上野弘明

変わらないもの、変わってしまったもの


 西原村で行われた熊本地震復興支援野球教室が終わり、自宅に帰る途中、母校・若葉小学校を訪問した岩貞。校門をくぐるなり「懐かしい!」と当時を振り返った。

「授業が再開したときは(5月10日)、まだ避難をされている方が体育館などに100人ほどいらして、いろいろと配慮をしながらの再出発となりました」

若葉小の3階にある旧6年2組の教室(現5年生使用)で。教室の後ろの荷物置き場では、当時の順番と出席番号の前の2人の名前まで思い出した。当時と風景はまったく変わらない


レフト方向からバックネット方向を見る岩貞。この運動場で野球を始めた。何も変わっていないと言うが、熊本地震後は車で避難生活をする人の駐車場となった


 来校を迎え入れてくれた井上伸円教頭の言葉に、岩貞の表情は真剣になった。地震後、避難所となった若葉小。直後は避難をする人々が体育館などには入り切らず、下駄箱周辺まで及んでいたというのだ。

 5月10日、熊本市内の小学校が地震以来となる授業再開の模様を全国ニュースで見た。「今日ニュースで映った小学校は母校なんです」と岩貞はホッとしたような、うれしそうな顔をした。その母校の様子を地震から約8カ月後に、実際に自分の目で確認したかった。

 母校の壁はひび割れ、修復した後が生々しく残っているが、そのほかは卒業してから何も変わっていない。地震にも耐え、周りの住民を受け入れた母校。校内へと歩みを進めるたびに13年前のにおいと記憶がよみがえってきた。6年生時の教室に入り「6年生のときは2組でしたね。足が速かったので女子にモテてたんですよ。小学校の野球部ではセンターを守っていたんですが、練習のときにブラスバンド部の教室から、女子が練習を見ていた記憶があります。多分僕を見ていたんだと思います(笑)」。聞くとバレンタインデーには、6年生男子で最高となる10個をもらったという。

 帰り際、職員室にいた先生にうながされ階段へ近づくと、岩貞たち6年2組の生徒たちが卒業記念に制作した絵が階段の上り口に飾られていた。その中にしっかりと「岩貞祐太」の文字も・・・

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