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2017春季キャンプ取材現場から

オリックス 西野真弘の特打から垣間見える“課題”

 


 インパクト時に上体が突っ込み、力ない打球が飛ぶとクビをかしげる。すると、両足をそろえ、そこから右足を上げてスイング。数分後、再び打球に勢いがなくなると、今度はノーステップに。全体練習を終えた午後4時。西野真弘が複数のステップで特打を行っていた。

「僕、足を上げてボールを呼び込む『間』を大事にしているんです。でも、疲れてくると体が突っ込んで『間』ができなくなる。だから構えるときに両足をそろえて足を上げて『間』を作り出し、体に染み込ませていたんです。ノーステップは体重移動を意識するため。軸足に体重を乗せることが『間』を作るためには必要ですから」

 掲げた目標、143試合フル出場を果たした昨季は、シーズン序盤に安打を量産し、5月に一時リーグ3位となる打率.339のハイアベレージをマーク。だが、次第に調子は下降線をたどり、6月に入ると打率は2割台へ。以降、3割に達することはなかった。

 フルシーズンを戦い抜き、状態維持の難しさを痛感。だからこそ、疲労がたまった中で、いかに力を発揮できるかが、今季の一つのテーマと考えている。

「1試合の中でも試合終盤は、知らず知らずに疲れは出てくる。2打席目より3打席目のほうが、疲労がたまるのは仕方ない。その中でどう結果を出すかが勝負だと思うんです」

 特打を終え、打撃ゲージから出てきた西野は、すぐにティー打撃を敢行。体にムチを打ち、理想のフォームを染み込ませていく。その先に最大の目標が見えてくる。

「今年は調子の波をなくして3割を打ちたい」

 1球1球に意味を持つ――。何千、何万回とバットを振るキャンプでもムダなスイングは決してない。

取材・文=鶴田成秀 写真=湯浅芳昭
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