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侍ジャパン世界最強への道

薮田安彦氏(野球解説者)がチェック 世界一奪還に向け侍ジャパンの仕上がり具合は?

 

第1回WBCで世界一を経験した野球解説者の薮田安彦氏が、日本代表の仕上がり具合をチェックしていく。元投手ということもあり、投手陣を中心に、強化&壮行試合5試合の内容を見ながら、本大会での活躍を占ってもらった。
取材・構成=椎屋博幸、写真=BBM)

小久保監督は強化&壮行試合で選手たちの状態が上がるのを待ち続けて本番を迎えた


全体編 1打席でも調子は上がる。投球制限は気にしない


 5試合で本番に向けたすべての準備をするのは、なかなか難しい部分があります。特に打者に関しては、まず選手たち個々の打撃状態を上げていかないといけません。つまり実戦勘をつかませるために、作戦を立てずに、打席に集中させないといけない部分もある。そのあたりを5試合の中で行い、さらに作戦などもすべて試すのは、小久保裕紀監督も非常に難しかったと思います。

 もちろんWBCの本大会に向け、打者も早めの調整をオフから行っています。しかし、打席の中でのボールを待つ感覚というのは、実際に真剣に投げてくる試合でのピッチャー相手に打席に立たないとつかめないことのほうが多い。この5試合でつかめたかどうか、これは本人にしか分からないと思います。

 日本代表は一流選手の集まりです。少ない打席、少ない試合、それこそわずか1打席の中でも、うまく感覚をつかむことさえできれば、本番に向けて完全に仕上げることができます。そういう選手が何人いるのかも、1次ラウンドに向けてチェックしてほしい部分です。

一流打者は1打席で「勘」を取り戻せることも。四番・筒香[左]の状態は悪くない。中田[右]も阪神戦の本塁打でつかんだか!?


 先ほども言ったように選手の感覚を取り戻させる調整もあるので、小久保監督もなかなか細かい作戦を立てられませんでした。短期決戦でもあり、この5試合は、実際に本大会をどういう作戦で戦っていくのかという、基本的なメッセージを選手たちにしっかり示さないといけない部分がありましたが、5試合ともそういう場面が作れず、思うように作戦を仕掛けられませんでした。不安は残ります。

 先発投手に関しては1次ラウンド65球という制限がありますが、投手陣には、球数を気にし過ぎてストライクゾーンだけで勝負することは避けてほしいと思っています・・・

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