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侍ジャパン“世界最強”への道

薮田安彦氏が侍ジャパンの戦いを振り返る

 

取材・構成=坂本匠

初戦キューバ戦。緊張する中、初回のピンチをゲッツーでしのぎ、その裏四番・筒香が先制打を放つ。この攻防が1次ラウンド突破の一番のポイントだった


キューバ戦初回の攻防が日本代表に流れを呼んだ


 1次ラウンド突破のポイントは、やはりキューバ戦でしょう。この試合の勝敗を左右したのは、日本の先制点です。1回表のキューバの攻撃をしのぎ、その直後の攻撃で先制できたことで、プレッシャーが軽減され、日本ペースになったと感じます。

 あの攻撃は三番・青木(青木宣親)選手から始まったものでした。二死走者なしから左翼フェンス直撃の二塁打。続く四番の筒香(筒香嘉智)選手も、初打席ながらキッチリと右前に弾き返すのですから、勝負強いですね。すごく重たい空気が流れている中での初回の攻防。追いかける展開になるよりも、リードを奪って日本ペースで戦えたことは大きかったと思います。その後、追いつかれる場面はありましたが、リードを奪われることはなかったので、先制点が重要な意味を持ちました。

 一方、先発の石川(石川歩)選手も、尋常ではないプレッシャーの中での登板だったと思います。それでも彼本来の力を出せましたね。初回は不運な内野安打、味方エラーでいきなりのピンチを迎えますが、キッチリと低めを突き、ゴロを打たせてセカンド・菊池(菊池涼介)選手の併殺につなげた。その後も丁寧にゴロを打たせて(※12個のアウトのうち、ゴロアウトは7個)1つずつアウトを取っていく石川選手らしいピッチングは、素晴らしかったと思います。

 オーストラリア戦では、先発の菅野(菅野智之)選手がすべてでしょう。ホームランで1点を取られても動揺はなく、交代の5回途中まで安定し、粘り強く投げられていました。この試合のリズムは彼が作りましたね。

 一方、1位突破が決まった状態での中国戦でしたが・・・

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