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新進気鋭インタビュー

DeNA・熊原健人インタビュー 荒々しく、自分らしく

 

ルーキーイヤーは18試合に登板、先発で1勝1敗。15年ドラフト2位・右腕の実力は、こんなものじゃないはずだ。初めて臨んだ契約更改の場で「先発投手として勝負」を宣言し、2年目のシーズンへ、熊原健人が勝利への熱い思いをたぎらせる。
取材・構成=滝川和臣、写真=矢野寿明、BBM


開幕は二軍スタート。2年目で見えた課題


開幕直前のオープン戦で失点を重ね、開幕を一軍で迎えることはできなかった。たとえポテンシャルのある若手でも、石田健大井納翔一今永昇太ら実績のある先発ローテに食い込むには、それなりの結果が必要だ。しかし、2年目の右腕には見る者を惹きつける躍動感がある。最速154キロをマークする剛腕に首脳陣がかける期待が、ひしひしと伝わってくる。本人は、間もなく巡ってくるであろうチャンスを逃さぬよう、しっかりと課題と向き合い、自分を見つめ直している。

──プロ入り2年目の開幕を二軍で迎えましたが、どんな気持ちでキャンプから過ごしてきましたか。

熊原 昨年の反省を生かして、課題や足りない部分をキャンプで取り組んできました。プロ1年目は右も左も分からず、試合の流れについていくのがやっとだったんですが、ようやく周囲を見ながら取り組めるようになってきました。チームには「先発をやりたい」と伝え、取り組んでいます。

──先発希望を自ら意志表示されたんですね。

熊原 昨年は先発、中継ぎの両方を経験しました。契約更改のときに、「前と後ろ、どっちがやりたいんだ?」という話になり、「先発です」と伝えました。先発としてやっていくことに、手応えを感じられていたんです。

──課題について教えてください。

熊原 1年目は変化球のコントロールが全然ダメで、いいときと悪いときがすごくハッキリしていました。結果を残している投手というのはその波が少ないんですよね。真っすぐ以外のボールで、いつでもストライクが取れることをテーマにしていました。

──オープン戦は2試合に投げ、防御率10.29(3月のロッテ戦では3回6失点)。どこがうまくいかなかったのでしょうか。

熊原 1年目よりも球種も増えて、打者の打ち取り方もよくなってきていましたが、自分の持ち味である真っすぐが走らず、さらにコースが甘く入ったところを打たれてしまった。ストレートを見つめ直し、次のチャンスに生かせるようにするつもりです。

──ストレートの球速が足りない?

熊原 そうですね。オープン戦では指にボールがかからない状態で、今まではカウント球でもファウルになっていたものが、簡単にヒットにされてしまう。コントロールがよくなったことは周りからも言われますし、自分でもそう感じています。ただし、自分では気がつかない部分で、フォームが小さくまとまっていたのかもしれません。ミット目がけて思い切り腕を振るのが僕のスタイル。それがなくなっているとも感じています。まずは、真っすぐをいい状態に戻したいですね。

──ダイナミックにいく部分と、コントロール。どこで折り合いをつけるのかが難しいですね。

熊原 バランスが求められます。

──新しい変化球も試しているようですね。

熊原 これまで真っすぐとスライダーしかなくて、特に左打者に苦労してきました。昨秋からチェンジアップとシンカーの習得に取り組んできて、なんとか形になるようになってきた。チェンジアップはプロ1年目にも投げていましたが制球が定まらず使う機会はほとんどありませんでしたが、うまく使って武器にしていくつもりです。もともとチェンジアップは、大学時代に日本代表合宿で一緒になった濱口(濱口遥大)に聞いて練習したのがきっかけなんです。彼のチェンジアップはすごいと当時から耳にしていましたから。

──球種が増えて投球の幅は広がりましたか。

熊原 同じ投球パターンを繰り返して簡単に打たれてきたので、引き出しを増やしているところです。シンカーもプロに入ってから覚えたボール。チェンジアップの握りを変えたり、リリースを変えたりしていたら落ちる軌道になったんです。チェンジアップと似ているんですけど、僕の中ではシンカー。オフに宮崎(フェニックス・リーグ)、奄美(秋季キャンプ)、台湾(ウインター・リーグ。ただし、肺炎で途中帰国)でチェンジアップ、シンカーを実戦マウンドで試せたのも大きかったです。

試行錯誤の末にたどり着いたフォーム


実家は宮城県角田市にある、室町時代から続く神社だ。父親が神主ということもあり、入団当時は高く振りかぶる独特なフォームに“神主投法”とニックネームを付けられ話題となった。ルーキーイヤーでは初勝利も経験した。しかし、その直後から自分のイメージと実際の投球のギャップ、プロのカベに直面する。

──昨年、7月20日のヤクルト戦[神宮]。2度目の先発でプロ初勝利も飾りました。ルーキーイヤーは、どんな気持ちで投げていましたか。

熊原 自分にできることをやろうと心掛け、思いっ切り腕を振ることだけを考えていました。いい意味で周囲を気にすることなく、全力でできていたかなと。初勝利を挙げた試合はよかったんですけど、その後に同じヤクルトと対戦したら、前回の対戦では振っていたコースを振らずに、見極められた。対策を練られても、試合を作っていく大切さを痛感させられましたね。

マウンドでは気迫を前面に押し出した力投型。2016年7月20日、神宮でのヤクルト戦[写真=桜井ひとし]で初勝利


──入団時からダイナミックなフォームが特徴的です。

熊原 大学時代に投げやすい形を探して、いろいろ試していくうちに、気がついたらこのフォームになっていました。

──プロ入り後、大きな修正はしていない。

熊原 基本的にプロに入ってからは変えていません。今後、修正する必要があれば考えますが、現時点ではこのままです。ただし、ストレートが走らないという点については、コーチから「フォームが昨年と・・・

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