左腕から繰り出す最速151キロの角度あるストレートを武器とした堂々たるマウンドさばきが評価され、開幕3戦目でプロ初登板&初先発。さらに、先発2試合目で早くも初勝利を飾った。入団会見で語った、「まずは開幕ローテに入って1勝」のノルマをクリア。続いて自身で掲げた次なる目標、「2ケタ勝利で新人王」を狙っていく。今、球界で最も勢いのある新人サウスポー・濱口遥大の声を聞こう。 取材・構成=滝川和臣、写真=大賀章好、BBM ※成績は5月7日現在 肌で感じた巨人エースの凄み
ルーキーにとっては、目まぐるしくプロ1年目のシーズンは推移していることだろう。3勝目をかけた巨人戦はエース・菅野智之と投げ合った。結果はプロ初黒星。登板から3日後、ルーキー左腕はこの試合をどう自分の中で整理し、消化したのだろうか。 ──5月2日の巨人戦[東京ドーム]は6回4失点で初黒星。初回に
坂本勇人選手に浴びた本塁打を除けば、中盤まで粘れていた印象でした。
濱口 大事なところで、いつもより冷静になれずに、粘り切れませんでした。
──勝負どころでボールが甘く入ってしまった?
濱口 5回、
マギーに中前適時打を浴び3、4点目を奪われた場面は、チェンジアップが高めに浮いてしまった。失投でした。
──巨人戦の敗戦から何を学びましたか。
濱口 巨人の先発は菅野さんで、相手打線を圧倒するピッチングを見せていた。その中で1点の重みを痛感しましたし、菅野さんの姿からは「1点もやらない」という気迫がマウンドに満ちていた。僕自身それを肌で感じて、やはりあのくらいの気持ちで投げないと3連続完封などできないんだな、と勉強させられました。1試合だけでも完封なんて難しいのに、それを3試合ですから……。試合うんぬんというより、菅野さんから学ぶというか、感じる部分は大きかったです。
──プレッシャーは感じましたか。
濱口 プレッシャーというより、試合前のミーティングから1点を争う試合になると言われていました。にもかかわらず、僕は初回に1点奪われ、中盤にも失点して、相手に流れを与えてしまった。悔しいですね。
──とはいえ、ここまで5試合に先発し2勝1敗、防御率2.17。十分に先発ローテーションの役割を果たしています。この成績は予想していましたか。
濱口 予想していません。自分の中では出来過ぎだと感じています。でも、投げるたびに自信はついていますし、もっと高いところを目指していきたい。特に僕の場合、投げるイニングが少ないので先発として最低でも6回、7回は投げ切りたいです。
──大学では完投が当たり前でした。プロでは違うものですか。
濱口 大学では、ほとんど僕しかいない状況もあり、中盤で球数が多くなっていても最後まで投げ切っていました。でも、今は球数が100球前後になると・・・
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