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2017序盤戦 嵐の予感

阪神OB・藪恵壹氏に聞く セ首位・阪神の強さは……本物か!?

 

ゴールデンウイーク、そしてその後も阪神が絶好調だ。貯金10とし広島と壮絶な首位争いを繰り広げている。果たしてこの強さは「本物」なのか。阪神OB・藪恵壹氏が、4つのキーポイントを挙げながら検証する。
写真=BBM ※成績は5月15日時点

金本監督が快心の“グーッ”の合図を最後まで出し続けられるか!?


POINT 1 クローザー・ドリスと中継ぎの登板間隔がポイント


 先発陣はメッセンジャー秋山拓巳が安定し、能見篤史藤浪晋太郎がそれなりに試合を作っています(藤浪はまだまだ不安ですが)。その中で中継ぎ、抑えの桑原謙太朗マテオ、ドリスという勝ちパターンが決まりつつあることも、チームが好調の要因です。

 しかし、問題がないわけではありません。それは、クローザーのドリスです。4月29日の中日戦[甲子園]で3失点を喫し負け投手になりましたが、その後右ヒジが痛いと訴え、1試合高橋聡文が抑えをやりました。これはメンタル面の問題もあったのではないでしょうか。彼は多分、失敗が怖いんだと思います。なぜなら、クローザー経験のあるマテオも控えていますし、二軍で10セーブを挙げ、防御率1.37(5月14日現在)の好成績を挙げているメンデスがいる。彼らに取って代わられる不安を持っていると思うんです。

 これまで阪神の守護神であった藤川球児呉昇桓でも10回に1回は抑えを失敗していました。それでも次の登板では何事もなかったような表情でマウンドに上がり打者を抑えた。これこそがクローザー。その部分でドリスには精神的な不安が残っているように見えます。シーズン前半でまだ余裕がありますし、もう一度だけ失敗した後の対応を見てみたいですね。そのときに、ドリスが堂々とした態度でマウンドに上がるようであれば、阪神に強力な武器が出来上がると思っています。

ドリスがクローザーとしての精神力を持っているなら、中継ぎ・抑えは安泰だ


 そして、もう一つの投手陣の不安は、中継ぎ陣の起用法。5月6日の広島戦[甲子園]で9点差を大逆転しました。このとき、6点差でマウンドに上がったのが松田遼馬ですが、3点を奪われて9点差に。そこからの逆転で彼は命拾いしました。5月10日の巨人戦[東京ドーム]で7点差から登板。2失点し9点差に広げられ、このときはそのまま負けました。

 これは本人の実力もありますが、首脳陣にもう少し考えてほしかったと・・・

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