ドラフト5位ルーキーが7回の男として“勝利の方程式”に名を連ねている。開幕戦でさっそくプロデビューを果たすと、そこから10試合連続無失点。クローザー・松井裕樹とともに驚異の登板数を重ねている。救援は“初心者”ながら、周囲の支えで成長中。ペナント争いのカギを握る右腕であることは間違いない。 取材・構成=阿部ちはる、写真=大賀章好、BBM ※成績は5月15日時点 “新天地”で知った1点を守り抜く喜び
ルーキーながら開幕一軍を勝ち取った森原康平は、3月31日の開幕戦(対オリックス、京セラドーム)で鮮烈なデビューを果たした。堂々としたピッチングでベンチからの信頼をつかむと、ハーマン、松井裕樹とともに“勝利の方程式”を形成している。 ──シーズンが開幕してから2カ月が経ちます。32試合中19試合に登板(5月14日現在)と、まさにフル回転ですね。
森原 自分の仕事はできているな、とは思っています。やっぱり勝ち試合で投げられるのはうれしいですね。
──勝っている場面での登板は緊張もするかと思いますが、それを感じさせない堂々としたピッチングです。
森原 緊張しますね。ですが、緊張したら力んだりしちゃうので、なるべく平常心でいけるようにと思ってマウンドに向かいます。
──プロデビューはシーズン開幕戦(対オリックス)。チームは1点リードの7回に同点に追いつかれ、その直後にマウンドを引き継ぐ形での登板となりました。
森原 まさか開幕戦に投げるとは思っていなかったので、名前を呼ばれたときにはびっくりしました。ですが、場面も場面で、大事なところだったので、プロの最初の登板が一番しんどいところということで、それは後に役立つかなと思いました。
──その時点で、この経験は糧になると思ったわけですね。
森原 はい。そういう心境でいけたのが良かったです。
──どのようなことを考えて、マウンドへ向かったのでしょうか。
森原 同点だったので、点はやれないという状況も把握した中で、それでも、自分にできることをしようと思っていきました。
──そこを見事ゼロで切り抜け、信頼をつかむと、今ではリードした場面での7回を任されることが増えました。マウンドに向かう前、スイッチと言うか、どこで気持ちを入れているのでしょうか。
森原 ブルペンでは、試合の流れを読みながら待機していますので、肩を作るくらいに徐々にスイッチを入れていきます。なので、バチッと入るのは登板直前ですね。
──近大工学部、新日鐵住金広畑時代は主に先発でした。リリーフの難しさも感じているのでは。
森原 連投はやっぱりしんどいですし、肩を作って試合に出ないこともあります。そういったことで疲労が蓄積していくのをどれだけ抑えられるかというのは、難しい部分ではあります。毎回自分のベストな状態で投げるというのもなかなかできないと思いますし、それでも抑えなくてはいけませんから、そこは難しい部分かなと。
──どのようにして疲れを取っているのでしょうか。
森原 ホームであれば、Koboパーク宮城内に施設があるので、水風呂とサウナに交互に入る交代浴をしています。あとは投げた試合の後にはすぐに電気を当てたり。でも、ビジターだとなかなかできないので、ホテルの部屋で半身浴をして、汗をかくようにしています。
──大学や社会人のころから、お風呂にはよく入っていたのですか。
森原 そうですね。高校のころから野球部の仲間とかと銭湯に行っていました。風呂はもともと好きなので、次の日にまたベストで迎えるための準備として、なるべくお湯に浸かるようにしています。だいたい30分くらいですが、音楽を聴きながらリラックスしたりするので、自分の大切な時間だとも思っていますね。
──登板に向けての調整方法に関して、誰かに聞いたりしましたか。
森原 入団したばかりのときには裕樹(松井裕樹)に聞いたり、最近では福山(
福山博之)さんとか、キャリアのある方に聞いたりとかはしていますね。
──印象に残っている言葉やアドバイスはありましたか。
森原 裕樹が言っていたことで・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン