交流戦を間近に控える2017年シーズン。各チームには、それぞれ多くの手応えと、多くの誤算がある。ここでは本当の意味での“誤算”はひとまず置き、開幕前は予想できなかった活躍を見せ、“うれしい誤算”となっている新しきスターに注目してみた。(成績は5月11日時点。) 楽天・菅原秀 迷いなく腕を振る右腕
楽天の快進撃を支えているのは、ルーキーの3投手たちだ。
高梨雄平、
森原康平に続き、3人目となる1年目の白星を手にしたのが、ドラフト4位右腕の菅原秀。3人の中では最年少で、同じセットアッパーの2人が先に勝利を手にする姿は「悔しくもあり、うれしくもあった」と複雑な心境を吐露している。
そんな菅原が初勝利を手にしたのが、5月4日の
オリックス戦[Koboパーク宮城]。1対1と同点の5回、先発の
古川侑利が二死満塁のピンチを招いた場面で名前を呼ばれた。この厳しい場面で、強打者・
中島宏之を遊ゴロに仕留める。その裏に味方が勝ち越しに成功したため、わずか3球で記念すべき1勝目をつかんだ。
初のお立ち台では「腕が振れるところが“チャームポイント”です」。おそらく“セールスポイント”と言いたかったのだろうが、この一言でファンの心をワシづかみにした。
名字は「すがわら」ではなく「すがはら」。少し照れた表情でウイニングボールを掲げてみせると、「(このボールは)お母さんに渡します」。マウンド上で思い切り腕を振る姿と、ちょっと抜けたコメント。そんなギャップが人気に火をつけそうだ。
ロッテ・有吉優樹 “投げたがり”のオールドルーキー
新人で最も注目を集めていたのは
佐々木千隼だったが、チームで唯一、開幕一軍の切符をつかんだのは今年26歳となったオールドルーキーだった。春季キャンプから精力的にブルペン入りして猛アピール。英二(
落合英二)投手コーチから、「あいつは投げたがりだから、中継ぎ向きかな」という評価を引き出した。
ソフトバンクとの開幕戦[ヤフオクドーム]でさっそくプロ初登板を果たすと、1球で
内川聖一を中飛に打ち取った。
その後は投げるたびに評価を高めている。140キロ台半ばの威力あるストレートを低めのストライクゾーンにきっちり集めるテンポの良い投球で、開幕から10試合連続の無失点。あっという間に勝ちパターンに組み込まれ、「この1カ月でだいぶ形になってきた」と手応えを口にする。昨季までのクローザー・
西野勇士が先発に再転向、
南昌輝は出遅れ、
益田直也も不安定と、リリーフ陣の層が決して厚いとは言えない中で・・・
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