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FOCUS 激闘3つの焦点 セ界下克上、ロッテお目覚め?

 

セ・リーグは低迷を続けてきた中日ヤクルトが連勝を飾り、一気に波乱の予感が漂い、パ・リーグでも日本ハムが巻き返し、西武が2位に急浮上したソフトバンクに連勝。記録的ペースで負け続けたロッテも首位楽天に勝ち越した。セ・パの勢力図が、再び変わり始めている──。
※記録は5月21日時点

5月18日の阪神-中日戦[甲子園]。1対1の同点で迎えた8回表、二塁打を放ちセカンドにダイビングで飛び込んだ中日・荒木雅博。その後、平田良介の二塁打で決勝のホームにかえり、最下位中日は首位阪神に一矢。ベテランの闘志で4連敗を免れた中日は、その後、2位の広島3連戦で3連勝/写真=松村真行


セ界が下克上に揺れている?中日、ヤクルトが快進撃で“上位食い”


阪神、広島の2強、中間に巨人DeNA、2弱がヤクルト、中日の図式が崩れ去ろうとしている。最大の要因は2弱と言われた2チームの意地だ。

 今シーズン、セ・リーグの順位予想に際し、多くの解説者が「大きな力の差はない」と言っていた。実際、広島が連勝で飛び出し、独走かと思わせた展開から急失速。阪神に抜かれ、阪神、広島の2強態勢となったが、いままた、新たなる波乱の予感が漂い始めた。

 最初の“火種”は、5位に定着したかに見られたヤクルトだ。5月7日DeNA戦[横浜]で、今季初の2ケタ得点を挙げ、12対5で快勝すると一気に調子を上げ、5月17日から3位・巨人、首位・阪神相手に4連勝。しかも由規石川雅規原樹理小川泰弘と、すべて先発投手に勝ちがつく理想的な勝ち方だ。21日の阪神戦[神宮]はルーキの敬遠暴投もあって敗れたが、DeNAを抜き4位。巨人に2.5差まで迫っている。

5月17日巨人戦[東京ドーム]で今季初勝利を飾ったヤクルトの由規/写真=小山真司


 劇的だったのは、開幕から低迷していた中日の復調だ。弾みとなったのは5月18日の首位阪神戦[甲子園]。先発のジョーダンが7回1/3を1失点と好投すると、京田陽太の内野ゴロで1点、荒木雅博二塁打の後の平田良介の適時二塁打で1点を奪い2対1で勝利。前日には8回2失点でチーム初完投を果たしたバルデスを援護なく敗戦投手としたが、その反省を生かす試合となった。

 その後、19日からがナゴヤドームでの2位広島3連戦。それまで0勝5敗1分とまるで勝てなかった相手だが、さらなる勝利への執念を見せた。初戦は3対2の9回にクローザーの田島慎二が1点を失い同点とされるも、延長10回にビシエドが劇的なサヨナラ2ラン。20日には先発の又吉克樹が7回1失点と好投すると、1点リードの8、9回を3投手の継投で逃げ切り3連勝を飾った。

 21日には未勝利だった先発の吉見一起を打線が援護。一番の京田が3得点、三番の大島洋平が2打点、四番のビシエドが3打点とかみ合い、7対4でエースが初勝利を手にした。

5月21日の広島戦[ナゴヤドーム]で勝利を飾った中日の吉見一起。これが7試合目にして今季初勝利だった/写真=佐藤真一


 森繁和監督にとっては初の4連勝、同一カード3連勝となり、「先発ピッチャーに白星がつくと次の登板にまた期待できる。投手が打たれ出したら打線が援護して、打線が打てなかったらピッチャーが我慢するというのがところどころで見えている」と手応えを得た様子だ。

 投打がかみ合い出した両チーム。首位チームまでヤクルトが7ゲーム、中日が9ゲーム差あるが、さらなる大物食い、そして交流戦でパを蹴散らし、セ界の下克上を狙う。

ロッテはようやくお目覚め! なのか!?


19日の楽天戦では延長10回、一死二、三塁から根元俊一[中央]がサヨナラ打を放ち連敗を8でストップ


深くはまり込んでいた泥沼から、ようやく一歩、足を抜き出すことができた。それでも、投手陣こそ上昇の気配が見られるものの、いまだ“打線の核”を欠いていることに変わりはない。

 4月30日の西武戦[メットライフ]から5連敗を喫し、○●○ときて今度は8連敗。本拠地ZOZOマリンに首位・楽天を迎えた3連戦を前に、直近2勝14敗。続くカードがヤフオクドームでの2位・ソフトバンク戦ということもあって、ファンの脳裏には1998年に喫した悪夢の18連敗さえ・・・

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