週刊ベースボールONLINE

日本球界初の打率「4割」に挑む男インタビュー

日本ハム・近藤健介インタビュー 打撃覚醒の秘密 「目指すは首位打者。その過程で結果的に4割を打てればいい」

 

開幕から苦しむチームにあって、1人驚異的な打撃で孤軍奮闘しているのが入団6年目の近藤健介。6月4日現在で打率は依然として4割を大きく超え、日本球界初の「4割打者」誕生への期待も高まっている。打撃覚醒の秘密はどこにあるのか。そこには若きヒットメーカーの驚くべき打撃理論があった。
取材・構成=松井進作、写真=桜井ひとし、高原由佳、BBM ※記録は6月4日時点


ポイントは軸足のタメと右足の「優しさ」


長き日本プロ野球の歴史の中で誰も達成したことのない「打率4割」。過去のシーズン最高打率も1986年にバース(阪神)がマークした.389であり、シーズン最長記録もクロマティ(巨人)が89年に記録した96試合がトップだ。海の向こうのメジャー・リーグを含めても77年以上も現れていない4割打者。その高き壁に挑む23歳はいま何を思うのか。

──開幕からすでに50試合近くを経過した現在も打率4割超をキープしています。ズバリ、ご自身では何が好調の要因だと思っていますか。

近藤 技術的なことで言えば、一番はやっぱり軸足でもある左ヒザの不安がなくなったことですかね。昨季はケガをしてしまってタメを作れなかったんですけど、今季はそれがしっかりとできている。それこそ左ヒザと下半身に99.9%ぐらいの意識を置いて打っています。

──軸足の“タメ”がポイントだと。

近藤 間違いなくそうですね。昨季はそれが作れなかったので、打席でもただ突っ込むだけというか、ボールに衝突してしまっていた。でもいまは軸足にしっかりと体重を残せて打てていますし、それこそ足でバットの軌道を作っているイメージなんですよね。だから上半身はほとんど意識していません。

──踏み込む右足の意識は?

近藤 右足はとにかく、優しくです。

──優しく……ですか。

近藤 そう、優しくです(笑)。左足にタメを作ってそのパワをーバットに伝えていくわけですけど、そこで突っ込み過ぎてしまうと今度は体重が前のめりに乗り過ぎてしまうんですよね。左足に体重は残しつつ最後は体の軸でしっかりと回りたいので、本当に右足は優しくステップするぐらいの意識なんです。

──右足でしっかり踏み込んで“壁を作る”というのがオーソドックスな打撃の形かと思いますが、その感覚的とは少し違うのでしょうか。

近藤 バットに力を伝えるためには壁はもちろん作らないといけないんですけど、それよりもスムーズな体重移動とタイミングのほうが大切だと僕は思っています。それさえできていれば強い打球も打てますし、軸足に体重を残すことでボールの見え方も全然違いますからね。

大のポイントは左ヒザのタメと優しい右足の着地。下半身にすべての意識を置いた打撃の確立によってボールの見極めも昨季よりできるようになり、打席内での精神的な余裕も生まれた


──今季は四球も大幅に増えて高い出塁率を誇っていますが、それも下半身への強い意識が関係している?

近藤 間違いなくその部分が影響しています。左足のタメによってボールが長く見れていますし、その時間で振る準備も自分の中でできるようになりました。同時に精神的にも余裕が生まれ、タイミングも取りやすくなったと思います。


──そのバッティングはすべて自分で考えて取り組んできたのですか。

近藤 もちろんコーチの方にもアドバイスはもらっていますけど、基本的には自分でオフから試行錯誤しながら考えてやってきました。昨季はチームは10年ぶりの日本一になりましたけど、僕自身は本当に不甲斐ない1年に終わってしまったので。その悔しさ、危機感も大きな原動力になっています。

──その中でペナントレースの開幕前には「首位打者」という大きな目標を掲げました。

近藤 昨季も目指してはいたんですけど、今季は自分自身をさらに・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

プレミアムサービスに登録すると、週刊ベースボールONLINEのすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

関連情報

HOT TOPICS

球界の気になる動きを週刊ベースボール編集部がピックアップ。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング

コラムを探す

週刊ベースボール

バックナンバー