10月1日 引退会見/写真=高塩隆
100%納得した上での決断ではなかったのだろう。10月1日、今季の
巨人の東京ドーム最終戦(対
阪神)が行われる試合前に、
片岡治大が今季限りの引退を表明したが、その言葉の端々に未練が見て取れた。
「正直、まだスッキリしていません。体のほうもついてこなくなってきた自覚もあったので決断に至ったんですけど、悔しさのほうが大きいです」
西武時代の2008年から10年まで3年連続50盗塁を記録した俊足の持ち主で、07年から4年連続盗塁王を獲得。いまなお語り継がれるのは08年の巨人との日本シリーズで、3勝3敗で迎えた第7戦のことだ。1点ビハインドの8回に死球で出塁すると、初球に盗塁を成功させ、三進後、
中島裕之(現宏之、
オリックス)の三ゴロでギャンブルスタートし、生還。この好走塁で流れを呼び込み、逆転での日本一に導いて陰のMVPと称賛された。
14年に巨人にFA移籍後は1年目こそリーグVに貢献したが、たび重なるケガで出場機会を減らしていた。今季は昨オフの左手首手術によるリハビリからスタートし、一時は実戦復帰したものの、4月末に右ヒザを故障し、プロ入り唯一の一軍出場ゼロに心が折れたのだという。「希望を持ってリハビリを重ねてきたんですけど、なかなか思うような動きができず、このタイミングで身を引いたほうがいいのかなと思った」と引退を決めた理由を明かしている。
今後については未定だが、「若い選手を見させてもらえたら」と育成年代の指導を希望。09年にWBCで世界をも驚かせた走塁技術をぜひ、後進に伝えてほしい。
PROFILE かたおか・やすゆき●1983年2月17日生まれ。千葉県出身。176cm80kg。宇都宮学園高(現・文星芸大付高)から東京ガスに進み、2004年にドラフト3巡目で西武入団。07年から4年連続盗塁王、08年には最多安打のタイトルを獲得し、09年には第2回WBCで世界一獲得に貢献した。14年に巨人にFA移籍し、優勝を味わったが、以降はたび重なるケガに泣いた。通算成績は1208試合1174安打66本塁打389打点320盗塁、打率.266。
ついに出た10万号!
9月29日●ロッテ0-4オリックス[ZOZOマリン]/写真=大泉謙也
弾丸ライナーが左翼席に突き刺さった。オリックスの
マレーロが6回、二死一塁から成田の直球をとらえて今季19号。これが1936年にタイガースの
藤井勇が放ったプロ野球第1号から82年で到達した、通算10万号となった。「ラッキーだね! 不思議なものを感じるよ」と語った助っ人だが、それもそのはず。今季、途中加入し、迎えたデビュー戦。6月9日の
中日戦[京セラドーム]で“サク越え”を放つも・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン