チームが飛躍的な進化を遂げるとき、そこには大きなパワーを秘めた若き才能の存在がある。そんな新進気鋭の選手たちに迫る新連載インタビュー。ジャイアンツの2017年のドラフト1位指名選手で、脚力を活かした華麗でダイナミックな守備が売りの、二番・セカンドの筆頭候補・吉川尚輝からスタートしよう。 取材・構成=坂本匠、写真=榎本郁也 秋季キャンプから引き続き今春季キャンプでも野手はひたすら振り込む。ロングティーで自ら放った打球の角度に驚きの表情を見せる吉川尚
1年のファーム生活に収穫
2016年秋に行われたドラフト会議で巨人より1位指名を受けて入団した吉川尚輝は中京学院大時代、昨季新人王を獲得した中日・京田陽太(日大)と、大学No.1内野手の評価を二分する存在だった。1年前のこの時期にも二番・セカンドの候補と大きな期待を集めていたが、上半身のコンディション不良による出遅れで、一軍5試合の出場に終わっている。まずはそのルーキーイヤーから振り返ろう。 ──プロ入り後、初のオフは充実の時間を過ごしたようですね。
吉川 秋のキャンプを終えてから、台湾のウインター・リーグ(※2017アジアウインターベースボールリーグ。吉川はNPBイースタン・リーグ選抜の一員として出場し、優勝に貢献)に参加させてもらって、12月の中旬までピッチャーの生きたボールを見ていました。体を完全に休めたのは正月前後の数日だけなので、実戦感覚を持ったまま、その後のトレーニングもできましたし、1月に入ってからは
坂本勇人さんと沖縄で自主トレをさせていただいて、体的にはすごく順調にキャンプインを迎えることができたと思います。
──昨季は新人合同自主トレで上半身のコンディション不良を訴え、その後のキャンプは三軍スタートと、出遅れてしまいました。
吉川 入団して、1年間、ケガをしないことを最初に考えていたんですけど……。それを思えば、2年目の今季は最低限のスタートラインには立てたかなと思います。本当の勝負はここからですね。
──今季の話をする前に、昨季をどうとらえているのか教えてください。即一軍を期待する周囲の声も大きく、その自覚もあったと思いますが、結果的に多くの時間をファームで過ごすことになりました。
吉川 入団前はキャンプ、オープン戦でアピールをして、開幕から一軍でプレーすることだけを考えていました。でも・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン