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春を待つ新進気鋭の男たち

オリックス・山本由伸インタビュー 発展途上の19歳 「制球も大事にしながら『力強いボール』を投げていきたい」

 

若手が続々と台頭しているオリックスの中でも、将来が楽しみな右腕 山本由伸だ。高卒1年目の昨季、二軍で8試合に登板し、防御率は驚異の0.27。自力で一軍切符をつかみとり、シーズン終盤には先発ローテ入り。力強い直球と多彩な変化球を操り、次代のエース候補に躍り出た。さらなる飛躍が期待される今季。経験を基に視野を広げ、レベルアップを誓っている。
取材・構成=鶴田成秀、写真=榎本郁也、佐藤真一


側面にとらわれず


最速152キロの直球で押す強気な投球とは対照的に、冷静に自己分析する19歳。高卒新人ながら一軍デビューを果たした昨季の経験を基に、さらなる成長を期す中で、求めているのはすべての面でのレベルアップだ。結果や課題、そして修正点にとらわれず、根本から自らを見つめている。

── 1年目の昨季は8月に一軍昇格を果たし、先発ローテ入り。大きな経験を得たのではないですか。

山本 すごく濃い1年でした。あっという間で、充実した1年間でしたね。そもそも1年目から一軍で投げるチャンスをもらえると思っていなかったので。自分の中では1年目はしっかり毎日、練習をするだけだと思っていたので、一軍で投げられたことは本当に良い経験になりました。

── 二軍で8試合に登板し、計33回2/3を投げて1失点、防御率0.27の好結果。自らの手で一軍切符をつかみとったわけですが。

山本 もう目の前の打者に向かっていった中で、結果を残せたという感じでした。でも、やっぱり一軍に行くと、漠然と投げていてはダメだな、と。一軍と二軍の差を感じました。

── それは、どのあたりですか。

山本 打者のボールをとらえる能力です。やっぱり自分のコントロールミスしたボールは、しっかり芯でとらえられる。打者に弾き返されて、一発も多く打たれました(被本塁打3)。簡単に打たれているようでは、まだまだダメです。

── 制球面に課題が残った、と。

山本 はい。ただ、僕は“ビタビタ”とコースを突くタイプではないので、制球面も大事ですけど・・・

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