新鋭の躍動はチームに活気をもたらす。そんなブレーク目前の若い力にスポットを当てるインタビュー連載の第2回は、今季ドラフト7位でDeNAに入団し、俊足と巧打で一軍に食らいつく宮本秀明が登場だ。開幕一軍をもぎとり、今、勢いのあるルーキーが語る現在地。
取材・構成=滝川和臣、写真=大賀章好(インタビュー)、BBM

名将の薫陶を受け社会人からプロ入団

　松下電器(現パナソニック)の監督を務め、同社で専務役員として手腕を振るった後、秀岳館高を指揮して甲子園で3季連続4強に導いた鍛治舍巧氏(現県岐阜商監督)。その名将の指導を仰ぎ、秀岳館高からパナソニックに進んだ宮本秀明のプロフィールを見ると、大阪の枚方ボーイズ出身(かつて鍛冶舍氏が指導)と勘違いしそうだが、秀岳館高のある熊本で育った。幼いころから父・順二さんと二人三脚でプロの世界を目指してきた。

──理想としてきた野球選手はいますか。

宮本　九州出身ということもあり、ソフトバンクの川崎宗則さん(ソフトバンク退団)にあこがれていました。小学生のころに父親に連れていってもらった試合で川崎さんのプレーを見たのがきっかけで、右打ちから左打ちに変えました。

──高校では鍛治舍監督の指導を受けてきました。

宮本　僕が高校3年のときに鍛治舍監督が秀岳館高に赴任されました。指導者として最後の3年夏までの半年間お世話になり、そのつながりもあって卒業後はパナソニックに入社しました。

──高校では現チームメートで2017年ドラフト3位入団の大河(松尾大河)選手の2つ先輩です。

宮本　僕が高校3年生のとき・・・