兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第6回です。 創価高3年時にセンバツ出場。2回戦で敗れたPL学園高戦には三番・二塁で出場した小谷野栄一
いつも前を──
「いやいや、速かったよ、マツのボール。よく動くし、さすがだね、
松坂大輔は。完全に抑えこまれたね。いやいや、これはまだまだできるよ」
5月30日のナゴヤドームにて、プロの世界で13年ぶりの対決が実現。小学生時代から松坂大輔を知る男は、その翌日、試合前の打撃練習に向かう準備をしながら、こう語りました。
オリックス・バファローズ、小谷野栄一。今年でプロ16年目、38歳のシーズンを迎えた大ベテランは、オリックスではチーム最年長の選手となります。松坂大輔のプロ入りから遅れること4年。創価大を経てプロの世界にやってきた内野手です。
今からさかのぼること25年。松坂と小谷野は江戸川南というリトルシニアのチームでともにプレーしていました。
「何かさ、いつも前を走ってるのよ、マツは」
日本ハム時代に小谷野と初めて食事に行ったとき、こんなことを話していたことをよく覚えています。「いつも前を──」。この表現が非常に・・・
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