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2018 日米野球総括

日米野球総括 “勝利”以外に求められていたもの 野手編

 

MLBオールスターチームに5勝1敗で大きく勝ち越し、賞金計9000万円(総額1億円)を手にした。結果は素直に喜ぶべきだが、“チャレンジ”を掲げた今大会では、勝利以上に大切なターゲットがあることを戦前から稲葉篤紀監督が明らかにしている。(1)左投手、(2)動くボールへの対応、(3)三塁手の3点に絞り、今大会を振り返る。

“動くボール”への対応に成果は?


前半戦は早いモーションにまったくタイミングが合っていなかった山川穂高[西武]だが、第3戦の9回に右中間に二塁打を放つなど、手応えを得る


 日本代表が国際大会に出場するたびに問題視されるのが、手元で“動くボール”への対応だ。2017年のWBCでは準決勝で対戦したアメリカ投手陣の「想像以上に動くボール」(日本ハム中田翔)に苦しめられ、2失点に抑えた投手陣を見殺しにした。今大会に向けても稲葉篤紀監督は「身をもって経験しないかぎり攻略はない。苦しむかもしれませんが次に生かしていければいい」と苦戦を予想。しかし、今回は選手たちの対応力が上回った。

 動くボールに加え、「強いボール」や「小さいモーション」などで差し込まれる新たな問題も浮上したが、4割を超える打率を残した源田壮亮(西武)が「始動を早くしてみたり、いろいろ試して前に飛ばせば何かが起きるかなと。三振しない工夫も収穫」と攻略。これは足の上げ幅を小さくしたり、ポイントを微調整するなどした秋山翔吾(西武)の助言によるもので、大会序盤は苦しんだ岡本和真(巨人)も「無理に引っ張ってはいけない」と逆方向への意識で第5戦にはバックスクリーン弾を放った。各々(おのおの)が未知のボールに向き合い、それぞれ対応策を導き出したことが何よりの・・・

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