前回大会優勝チームに与えられる「推薦出場」の権利。予選が免除される一方で、都市対抗の特色である補強選手を適用できない。しかし、昨夏、初優勝を遂げてから分かっていたことで、この1年間、着実に準備を進めてきた自負がある。史上6チーム目(7回目)の連覇を狙う。 取材・文=服部健太郎、写真=宮原和也 厳しい近畿二次予選が免除されたことを、チーム力の強化期間として前向きにとらえる。昨年の橋戸賞&首位打者の近本[阪神]が抜けたが、不安は一切ない
「昨年、監督に就いたときから選手たちには『毎年、優勝候補に挙がる力をもったチームを目指そう! 連覇が可能な常勝チームを作ろう!』と言い続けてきました」
そう語るのは就任2年目を迎えた橋口博一監督(慶大)だ。昨年は初の都市対抗制覇を達成。チームの悲願であった黒獅子旗奪取へと導いた51歳の指揮官は続けた。
「選手との合言葉であった『連覇』が狙える位置に今年はいるわけですから。昨年の優勝がフロックだったと言われないためにも、この大チャンスは必ずや、ものにしたいです」
攻撃面で注力しているのは次塁を果敢に狙う走塁。スチールに関してはベンチからのサインではなく、選手の判断でスタートを切る「グリーンライト」方式を昨年より採用する。
「会心の安打を打って出塁しても一塁にいたままでは点は入らない。野球は点取りゲーム。いけると思ったときはどんどん走ろうじゃないかと」
とはいえ、最初から高い盗塁成功率を誇ったわけではなかった。昨年の春先は盗塁死を5個以上記録する試合が続いた。それでも指揮官は「アウトになってもトライした経験は残る。そして、その経験が明日のセーフにつながる。アウトになるのは構わないからスタートを切る勇気だけは絶対に失うな! 成功率はいずれ必ず上がってくる!」と、選手たちの背中を押し続け・・・
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