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アマチュア野球の現状 特別レポート2020

東京ヴェルディと強豪軟式チームが業務提携しジュニア選手の育成

 

軟式野球の各全国大会で優勝4回の実力を誇る東京バンバータ。選手全員が社会人として働き、土日などの休日に活動している軟式チームだ。(東京都軟式野球連盟1部=港区所属)。2019年に東京ヴェルディの取り組みに共感、提携を結び東京ヴェルディ・バンバータとなった。それ以前の17年からは学童野球の指導にも力を入れており、野球競技人口普及活動を行っている。今回はその取り組みについてレポートする。
取材・構成=椎屋博幸 写真=東京ヴェルディ・バンバータ提供

総合スポーツクラブとしてサッカー以外にも野球を含めた15競技を運営し、ジュニアの育成などにも力を入れている


野球人口減少に歯止めを


 東京ヴェルディといえば読売新聞系列が経営していたサッカーの名門チーム。だが現在、母体となる企業を持たず、市民クラブとして運営され『多様な人材の育成』の観点から総合型クラブを目指し活動中だ。男女のサッカー以外にもバレーボール、柔道、男女バスケットボールなど15の競技があり、それぞれの育成・普及環境を充実させ、子どもたちに多くのスポーツに触れる機会を提供し、将来の可能性を広げている。

「少子化の流れの中で、1人の人間が1つのみの競技をプレーするだけではスポーツの発展が難しくなる。アメリカや欧州のように1人の人間が2、3つの競技をやれば、競技人口を減らさずに済みます。その中で総合型スポーツクラブというのは理にかなっています。将来的に野球とアメフト、野球とバスケットボールというような他種での二刀流をする選手たちを育成したい」と東京ヴェルディ・バンバータGMの熊本浩志氏は語る。

 ヴェルディのコンセプトに共感したバンバータは独自に、

1 野球を通じてデキるビジネスマンを輩出する
2 野球界におけるイノベーションを起こす
3 TOKYOらしさの追求

 というポリシーを掲げている。

 その活動で、小学生のジュニア世代に野球を好きになり、週末の練習が楽しみで自らアクションしてうまくなる、自主自立を目指した新しい学童野球の在り方を追求している。17年4月に世田谷区の東京都軟式野球連盟に加入し、学童軟式野球チーム「東京バンバータJr.」を結成した。

 多くの学童野球チームは現在でも、各地域住人がボランティアで長く監督を務め、高圧的な指導をすることが多い。さらに保護者の役割も多く練習時間が長い。そういううわさがその地域の親に情報として入り「子どもたちに野球をやらせたくない」という意識が出てきているのが現状だ。実際にライセンス制のあるサッカーのほうが、しっかりと教育してもらえ、頭ごなしに怒ることのない状況もあり、自然とサッカーを習わせたがる親が多いという。またサッカー人気もあり、子どもたちの多くはサッカーを選択。競技人口も圧倒的に多いのが現状だ。

 一方、野球の場合は・・・

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