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田中大貴のMonthly Column

田中大貴コラム 『松坂世代』あの夏から21年目の延長戦 「渡辺直人の魅力は“人間臭い”ところ」

 

兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第23回です。

三菱ふそう川崎時代の渡辺直人。廃部で散り散りになった仲間のためにも、完全燃焼を誓う


直人さん、直人さん!周囲に自然に広がる輪


 松坂大輔西武で現役続行、館山昌平らが引退し、コーチに就任する人が増え始めました。その中にあって、今季から現役選手とコーチの両方に挑戦する松坂世代メンバーがいます。東北楽天ゴールデンイーグルス選手兼任コーチ・渡辺直人です。

「直人さん、直人さん!」

 グラウンドで彼の練習をじっくり見ていると、チームメートの後輩たちから何度も名前を呼ばれ、周囲に輪ができていることにいつも気付かされます。メディアの人間を大切にし、誰に対しても丁寧に接っしてくれる大ベテランは、親しまれる人間性、愛されるプレースタイルでプロ14年目を迎える39歳です。

 松坂大輔ら甲子園で活躍したメンバーが最初にドラフト指名されたのが1998年のことです。その後、和田毅(ソフトバンク)ら大学に進んで活躍したメンバーのドラフトが2002年。渡辺がドラフトで名前を呼ばれたのは06年のことでした。遅咲きと言っては失礼になるかもしれませんが、松坂や藤川球児(阪神)らが入団してから実に8年後、26歳でプロの世界にたどり着きました。

 茨城県出身。地元の牛久高を卒業している渡辺には、地元公立高校から大学(城西大)の野球部に進んだという部分で、個人的にも非常に気になる存在でした。その後、三菱ふそう川崎を経て、06年のドラフト会議にて大学生・社会人ドラフト5巡目で楽天に入団。当時、広報担当者など、楽天関係者の方々がこんな話をしていたのを覚えています・・・

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