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小林至インタビュー 博士号の頭脳が解析するソフトバンク強さの秘密!

 

シーズン開幕の遅れも関係なし。3年ぶりのリーグV、日本一4連覇に向けソフトバンクは順調に首位を争う。12球団トップと言われる厚い戦力はいかにできあがったのか。そこには、資金力だけに頼らないアイデアと組織づくりがあった。
取材・構成=山崎博史 写真=BBM


10年で日本一6回


 プロ野球はこの10年間を見ると、日本シリーズを制したのはソフトバンクが6回と断トツで、特に昨年まで3連覇中である。今や球界随一の常勝軍団は、西武でもなければ、巨人でもない。ソフトバンクの強さの秘密は何か。その球団改革の立役者の一人だった元福岡ソフトバンクホークス取締役、小林至桜美林大学教授に聞く。

――ソフトバンクの強さの秘密とは。

小林 現場の選手たちの頑張りは言わずもがなですが、やっぱりまず第一に、孫正義オーナーの気宇壮大なスタンスでしょう。オーナーとして定めたチームのスローガンは『目指せ世界一』です。これはほかの方が言うと単なる景気づけのスローガンですけど、世界的に豪腕経営者として知られる孫さんですから、本気のビジョンです。それを達成すべく、選手の待遇から施設の整備まで資金投入すべきところにちゃんと投入しているし、世界から最高の選手が集まるようにしろ、メジャーのスーパースターを獲れといった指令が出ています。

――賞味期限切れの「元」でなく、バリバリのスーパースターをですか。

小林 そうです。私が編成担当取締役として、その指揮を執っていました。もう1つ、アメリカと日本で世界一決定戦を行うこと。この2つを孫さんから課題として与えられました。いずれもまだ実現していませんが、ソフトバンクは毎年地道に取り組んでいます。私がいたとき、名前は言えませんが、メジャーのスーパースターにもアプローチしました。結局は断られましたが、真剣な交渉をさせてもらいました。毎年のことですから、相当な数のスーパースターにアプローチしていると思いますよ。昨年、カーター・スチュワート・ジュニア(2018年にアトランタ・ブレーブスからドラフト1巡目指名を受けるも契約条件で折り合わずに浪人中だった)を獲得したのは一歩前進と言ってもいいでしょう。

――世界一決定戦のほうは。

小林 これはスーパースター以上にやっかいな話です。アメリカ側から見たとき、世界一決定戦をやってアメリカが勝っても、当たり前のこととして、アメリカ人は誰も興味を示さない。万が一、日本が勝った場合、どうなるか・・・

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