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よみがえる1980年代 1987年編

宿敵巨人を圧倒し西武が2年連続日本一

 

リーグ戦は最下位からの逆転V。序盤からケガ人も出て出遅れながらも圧巻の安定感でリーグ3連覇。その勢いのまま乗り込んだ日本シリーズでは、野球の質の違いを見せつけ、巨人を、たたき潰した。

日本一の胴上げ投手、工藤公康[右]と石毛宏典が抱き合う


 1987年の球界を漢字一文字で表現するなら「涙」かもしれない。巨人・江川卓広島小早川毅彦にサヨナラ弾を浴び、引退を決意した際の涙。そしてもう一つが、11月1日、西武ライオンズ球場での涙。ともに号泣だった……。

あの胴上げの元祖にも


 そのとき、客席が少しざわめいた。

「それじゃ守れんだろうが!」

 西武のセカンド・辻発彦が、その男に近寄り、声を掛ける。言葉はきついが、目が優しい。

 3勝2敗で迎えた対巨人の日本シリーズ第6戦。9回表、巨人最後の攻撃を前に西武は3対1とリード。2年連続日本一へのカウントダウンが確実に進んでいた。しかし、二死から篠塚利夫の打席で“異変”が起こる。一塁を守るプロ2年目、西武・清原和博が号泣していたのだ。

「自然に込み上げてきたんです。守備に就いたとき足がガタガタ震え、涙が出てきました」(清原)・・・

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