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道具の流儀

打撃職人・ソフトバンク長谷川勇也 こだわりの重量級バット

 

3年連続日本一を目指すチームで勝負強さを武器に五番打者に君臨するバットマン。独自の打撃論を持つ職人が手にする武器は常人には操れない唯一無二の相棒だ。
取材・文=菊池仁志、写真=湯浅芳昭

重量のあるバットを操る感覚が、自身の打撃のバロメーターとなっている


打撃職人のこだわり、妥協を許さぬ940グラム設定


高橋由伸(現・巨人監督)モデルの形状を生かしつつ、重量は独自の感性で940グラムまで高めている


 2年連続日本一を達成したチームから李大浩が抜け、今季、純国産で組むソフトバンクの超強力打線の五番に君臨する。シーズン序盤こそ2014年に痛めた右足首の状態を見極め、控えや下位打線に回ることが多かったが、4月30日以降は五番に定着。工藤公康監督が「理想」と語る打線の中核が出来上がった。

 独自の打撃理論を持つ。大切にするのは「タイミングの始まり」。投手の投球動作に合わせる起点を重視することこそ感性。「打撃は折り紙のようなもの」と語り、インパクトから引き戻してトップの位置を決める。その作業が構えに入るたびに見られる体をくねらせるルーティン。「体に折り目をつけてしまえば、あとはそれに沿ってスイングするだけ」。入団3年目の09年に規定打席に達し、打率3割をマークしたが、理論を確立するには至らなかった。その後は「明日、これでいけると納得するまでやる」という試合後のフォームチェックを欠かさず、自身の打撃を追求している。「打撃は生き物」だと知るから、その作業は止むことがない。

 そんな打撃職人の相棒の形が定まったのが首位打者、最多安打のタイトルを獲得した13年のこと・・・

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